Give Me【HS】 (ページ21)

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あれから、やはり以前のようなホソクはおらず、私たちは絶妙な距離感を保っていた。

嫌われているのか、怒っているのか、はっきりせぬまま毎日が過ぎていく中、

決定的だったのは、とある雑誌の撮影中だった。

一旦区切りがつき、メイク直しをするために数人のメイクさんと一緒に彼らのもとに寄る。

「Aヌナ、さっき目を擦っちゃって⋯」

「あ、直しますね」

真っ先に駆け寄ってきたジミンさんの後ろにはホソク。

「あ、ホソク。ちょっと待ってね、すぐ終わる」

「ジアヌナ、メイクお願いします」

⋯今、私の隣を素通りした？

今までのホソクなら、「ヌナー！」と勢いよく駆け寄ってきて、他のメンバーのメイクで手が塞がってても絶対待つと言って傍から離れなかったのに。

完全に固まってしまったのは私だけじゃなく、目の前のジミンさんも、奥で同じようにメイクを直してもらっているナムジュンも、他のメイクさんたちも。

このホソクの行動に驚きを隠せないでいた。

「Aヌナ、僕が先に来ちゃったから⋯」

「え？あ、いや、そんなんじゃ⋯」

私以上にしょげた顔をして申し訳なさそうにするジミンさんに私まで申し訳なくなる。

ジミンさんは少しも悪くないのに。

「メイク直しますね、ちょっと目閉じてもらってもいい？」

必死に仕事モードに戻そうとしたけど、あれはホソクの明らかな私への拒絶に受け取れて

「⋯Aヌナ」

「ん？」

「泣かないで」

「⋯泣いて、ないよ」

目を閉じているのに、私の表情が見えるかのように声をかけてくれるジミンさん。

まだ、泣いてない。ただ、泣きそうではある。