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「おはようございま⋯え、ヌナ？」
「おはよう、ナムジュン」
「なんですか？その⋯」
彼が奇怪なものでも見るかのような目を向けたのは、私の手首。
「かわいいでしょ？」
「まぁ、はい⋯にしても、その量」
両手首に5つずつ、ジャラジャラと鳴っているのはおしゃれの度をこしているブレスレット。
「⋯重くないですか？」
その一言に目を逸らす。
手を使う仕事なのにそれなりの重量があって、ちょっと、いや⋯大分邪魔。
「ま、まぁいいから。メイクするよ」
「あれ？ホソガは⋯」
「⋯さっき終わりました」
何かを察したようにナムジュンはため息をついた。
「⋯ヌナ」
「⋯はい」
「ホソガは物では釣られません」
⋯分かっていましたとも。
でも、こんなにブレスレットを着けていたらそのうちの1つくらいいつもみたいに欲しがってくれるかなぁ･･･て
思ってたんですけど⋯
ホソクは、欲しがるどころかこの私の手首の異常さにさえ一切触れることなく、
メイクを終えて颯爽とスタジオに向かっていったのだ。
「⋯」
「⋯」
私たちの間に沈黙が流れる。
ナムジュンの視線が私にバカだと言っている。
視線が痛い。いたたまれない⋯
それらを遮るようにして現れたのは
「Aヌナ！そのブレスレット可愛いです！」
「ジョングクさん⋯」
目をキラキラとさせて私を見るその姿は
「⋯天使、いや神様。」
「え？」
「いりますか？安物ですけど⋯」
「いいんですか？」
もらって嬉しそうにするジョングクさんと、色んな意味で涙が出そうな私と、冷めた目で見つめるナムジュン。
これが、アーティストとの正しい距離感と言われればそれまでなんだけれども
急に変わった関係を、私は確かめる必要がある。
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作者名：UJu 。 | 作成日時：2022年2月18日 22時
