Give Me【HS】 (ページ14)

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いや、ホソガは甘えどころも程度も弁えていて、そんなことで拗ねたり怒ったりするような人ではない。

きっかけはそれだとしても、原因は他にあるはずだ。

「ごめんね、私も何でもあげられるわけじゃないから⋯」

「謝らないでください！ヌナは悪くないです」

申し訳なさそうにするヌナの言葉を、はっきりと否定する。

ホソガはヌナの厚意に甘えすぎているくらいだから。

普段はしっかり者でグループのヒョンでも、ヌナの前では、それはもう弟のように。

「なんであげなかったんですか？」

「大事なものなの」

「大事⋯？」

「うん、実は⋯」

「ナムジュナー、次ソロだよー」

突如、ジニヒョンの声が廊下に響いた。

ホソガの様子の鍵になる、重要であろうヌナの言葉を遮って。

「ヌナ、実はなんです⋯」

「ジンさんが呼んでるよ！ほら、行ってらっしゃい！」

ヌナは楽屋から俺をぐいぐいと廊下に押し出すと、その続きを言うことなく、容赦なしに扉を閉めた。

その音に気付いたのであろう、こちらに向かってくるジニヒョンと目が合う。

「あー！いたいた！ナムジュナ、お前何して⋯」

「ジニヒョンのせいですからね」

「えっ、俺なんかした？！」

完全にとばっちりを受けて騒ぐジニヒョンを置いて、スタジオに向かったのだった。