片思いなんだって ページ9
郁里side
放課後。
私は新聞部に所属しているため活動場所である放送室へ向かう。
確か奏が美術部で遥が女子バレー部、優花が吹奏楽部だったかな。
放送室に入ると開口一番に田辺(部長)が、「白崎、お前バレー部の記事書かないか？」
と聞いてきた。
「バレー部の記事…？」
「ああ、バレー部が今度練習試合するらしくてな。」
お前確か、バレー部とも仲良かったろ？と続ける田辺。
「んー、まぁいいよ、練習試合いつ？」
「来週の火曜だってさ」
「りょーかい〜」
バレー部の記事か…練習風景とかもあったほうが映えるな、そう思い、体育館へ行く。
ドアをあけ、
「失礼します、三年三組白崎郁里です。」
「ああ、白崎か、どうした？」
入畑先生に挨拶し体育館にきた旨を話す。
「そういうことなら大歓迎だよ、存分に見ていきなさい」
「ありがとうございます。」
入畑先生から許可を頂き、私物の一眼レフを取り出す。
レンズ大きいタイプでお気に入りなんだよね。
しばらく写真を撮っているといつの間にか休憩時間になっていたらしく、みんながベンチに群がって来た。
「あれ？白崎ちゃん、なんでここにいるの？」
スポドリの容器を手に取った及川が聞いてくる。
「部活、バレー部の記事書くから。」
え、バレー部の記事書くの！？なんて驚いてくる及川を無視し、撮った写真を確認する。
「え、先輩それレフですか？」
「あ、うん、そうだよ」
不意打ちはよくない。
特に君はよくないよ。
「へぇ…俺のことも撮ってくださいね」
＿＿＿ホント、よくない。
「はいはい」
レフで思わず顔を隠して、レンズを見る。
それを、じっと見てくる松川には気づかないフリをして。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤 | 作成日時：2021年12月3日 17時
