片思いなんだって ページ7
遥side
奏と小突きあいをしてると唐突にそれを見ていた松川が言った。
「お前らってなんか不思議だよな。」
「?何が?」
奏がそう聞き返すと、
「いや、なんかさ、お前らみんな趣味も性格も違うのになんで一緒にいるのかなーって。」
「確かにそうですね…先輩たち全然違うのに。」
「あ、それ俺も思ってたっす!」
と国見に金田一も続く。
なんで…かあ。
考えたこともない質問に頭をひねらせていると、
「えーじゃあさ、趣味とか性格おんなじじゃなきゃ一緒にいちゃだめなの?」
マジで分からん、といったような奏が言う。
「いや、そういうわけじゃないけど…」
と松川が口を濁すと、郁里が、
「距離感が似てるからじゃない?他人との距離感の取り方が似てるとさ、変に近づいたりがないでしょ?それが心地いいからじゃない?」
…確かに、この三人でいて自分が不快になるような質問や、隠したいことへの質問もなかった気がする。
「ああ、そんな感じするよね、奏たち見てると。」
「そうえば、お前ら喧嘩してるとこ見たことないもんな」
痴話喧嘩はしょっちゅうみたいだけど。そう徹に花巻が続く。
「痴話喧嘩てなんだよ…まあ確かに不必要に踏み込まれることはないね。」
まあ、奏の場合は慣れだけど。
私も続けると、奏が
「んーよくわかんないけど、別に嫌々一緒にいるわけじゃないから」
と、結局答えになっていない結論をだす。
「それに、いたくなくなったらやめるし。」
奏らしい自由な発言に私たちは笑う。
永遠に、この時間が続けばいいのに。
一人ひっそり思ったことを隠し、お弁当を頬張った。
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作者名:藤 | 作成日時:2021年12月3日 17時