6話です。 ページ7
「なにが?」
小さく呟いた言葉が聞かれてたことにも、驚いたけど、
それよりも、もっと驚いたのは、
「!?!?」
憧れている人。
カッコいいと思った人。
どこか懐かしいと思った人。
が、いたことだった。
「なにが?なにがバカみたい、なの?」
「……逃げたのは自分なのに、逃げなきゃよかった、少しは喋れたかもしれない、もしかしたらサイン貰えたかもって、思ってしまった自分はバカだな、って……。」
「バカじゃないよ。Aちゃんはバカじゃない。それが普通なんだと思うよ。」
「……なん、で、名前知って…」
「さっき一緒にいた子が名前呼んでて…あってるでしょ?」
「っ…はい」
嬉しすぎる。
達さんに名前呼んでもらえるなんて。
心(頭)ではそう思ってても、体は反応しなくて、
勝手に口が動いているように感じられた。
「よかったー――――それにしても…―――」
達さんはホッとしてるみたいだけど、私の心臓は今までにないくらい動いてて、バクバクうるさい。
「…あの、た、…鈴木さん。」
なるべく普通に話すんだと心がけながらことばを発する。
「ん?」
藍花の話しだと、今日は美汐ちゃんの店を貸し切って同窓会をするらしい。
…でも、ここに達さんがいるってことは……
「同窓会は、大丈夫なんですか?」
「うーん。あんまり良くないとおもうけど、Aちゃん俺の顔見てにげちゃうし、心配で。…それに気になったから。ボソツ」
嬉しかった。
心配してくれたことが、気にしてもらえたことが。
それが、達さんだったことも。
全部嬉しかった。
でも、
達さんとは、住む世界が違くて、達さんには沢山のファンがいる。
誰も独り占めできない存在だから。
「心配してくれて、ありがとうございます。…そして、ご迷惑おかけしてすいませんでした。」
「ぇ?あ、いえいえ…?」
「…ちゃんとしたお礼出来なくてすいません。……では、失礼します。」
出てきた言葉はそれだけで、
本当はもっと一緒にいたいけど、一緒にいてはいけない人って言い聞かせて。
感情を出さないように心がけて、お礼を言って、
歩き出す、はずだった。
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紫音(プロフ) - aya-mickyさん» 達央さんのイメージを崩してないといいですが…。aya-mickyさんの作品を待ってる人、沢山いると思いますよー!期待に添えるように…頑張ります…! (2016年1月8日 4時) (レス) id: 79f4c9f3b0 (このIDを非表示/違反報告)
aya-micky(プロフ) - 私は最近、Free!というアニメで彼の事を知った、鈴木達央に関してはズブの素人です(>人<;)でも、この小説はとても面白いです。紫音さんのを読んでいると、また自分もこのサイトで書いてみたいなという意欲が湧いてきます。これからも期待しています( ´ ▽ ` )ノ (2016年1月7日 21時) (レス) id: 78d2f48ccd (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 綾さん» お、面白いですか…!!!ありがとうございます(*´∇`*)遅い更新ですがこれからも頑張ります☆ (2015年11月16日 3時) (レス) id: 79f4c9f3b0 (このIDを非表示/違反報告)
綾(プロフ) - おもしろかったー(o´∀`)b飼い主vs犬の対決や……!て思いましたw達央の押したいけど押せてないのがカワイイですねwこれからも更新頑張って下さいね(●^o^●) (2015年11月15日 10時) (レス) id: 7d4b732d5b (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - りくさん» 最高ですよね!男子でも憧れるかっこよさ!…少しでも達さんのかっこよさが出てるといいなーって思いながら書いてます。伝わってますかね??コメントありがとうございます☆ (2015年7月21日 20時) (レス) id: 79f4c9f3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫音☆ | 作成日時:2015年6月20日 14時