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彼はわたしをみて不思議そうな顔をした。
といっても、顰めっ面に近いのだけど。
「えっと、天馬くん？よろしくね。」
「ああ！よろしくな、A！」
彼の声はよく通る。
そのせいで恥ずかしい、なんて言えやしないな。
「失礼なことな気がするが、聞いて良いか…？」
君が、わたしに言うことなんて、ある、の？
わたし自身が、憧れているのに？
「オレの気のせいだったらすまない。
どこかで会ったことはないか？」
君に、会った経験？
勿論、��はい��の筈だけどわたしの口から出た言葉は……
「すみません、わたしは君に会ったことなんて、ないです。
きっと、人違いですよ。」
薄情な人間だな。わたしって。
憧れの人を突き放して。
自分が傷つかないようにしてるだけじゃない。
わたしは、わたしが大事なんだ、そしてわたしは誰よりもわたしが
��嫌い��だ。
弱いな、あの経験をしてから。
自分が、変わっていっちゃったな。
続く
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