2人の元貴族 (ページ5)

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「あのっ！すみません。僕の勘違いかもしれませんが興河Aじゃありませんかっ！?」

あ…。言ってしまった。

言う筈のないことを…。

「じゃあ聞きますね。貴方フーゴ?」

なっ何故僕の名を…?

僕は記憶を辿る。

少なくともレアナさんはいない筈。

しかし、レアナさんがAだと仮定すれば全ての辻褄は合う。

「あの…興河Aとは誰でしょうか？
もしかして…私ですか？」

と自分を指を指して言う。

は…?

トロすぎるかも…。

レアナさん。

「そう…ですけど。」

その時、彼女は頭を抱え悩みこんだ。

彼女はハッとしたのか僕の顔を見て言った。

「Grazie！全部思い出した。私は興河A！
社長令嬢として生まれたんだけど会社が倒産して一般市民になったんだっけ。」

と鼻を指で擦りながら言う。

頬も少し林檎色だ。

彼女は僕の肩を揺らして言った。

「何処か懐かしいと思ったらフーゴだったんだ。変わってないなぁ。」

僕の顔を覗き込む。

なっ！照れるじゃあないですか。

最後に会った時よりも大人びた雰囲気を漂わせているが中身は変わっていないようだ。