日傘 ページ49
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HT「A先輩がよかったから」
また、そんなことサラッと。
勘違いしちゃったらどうしてくれるの。
「....分かった、組もう」
でも、勘違いだとしても、嬉しい。
HT「先輩ならそー言うと思った」
ああもう、そうやって笑いかけるの反則、、って
「しっかりしろ私！！」
これから2人で練習しなきゃなのに、こんな浮ついてたら最悪怪我しちゃうからまじで！
頬を両手でパシッと叩くと、またハルトに困惑と呆れの混ざった顔をされた。
HT「リーダーに報告してきました」
「おー、ありがと」
ちょっと待って、勢いで決めちゃったけどさっきから変な汗が止まらない。
するとリーダーが、ちょっと注目して〜、ともう一度声をかけた。
「今日はとりあえずペア決めだから、練習は次回からでーす！2種目以上出る人はそっちの方にも行ってください！」
そっか、とりあえず今日はないらしく、ほっと安堵した。
てか借り物競争の方に行かないと。
借り物競争チームに合流すると、すでに順番が決められていた。
借り物競争はどのブロックも一緒に、走る順番やルートの説明を受けた。
AK「Aさん、私と同じ3番目だから」
いつの間に横にいたアスカちゃんは、せいぜいよろしくね、と捨て台詞を吐くとどこかへ行ってしまった。
ちょっと待った、つまり、アスカちゃんと戦うってこと？
なんか物凄く怖いんだけど。アスカちゃん運動得意そうだし、、
SM「Aちゃん」
「スミちゃん！」
スミちゃんは、何故か日傘を差してこちらに歩いてきた。
SM「アスカがごめんね、でも根はいい子だから」
「あ、いや、全然...」
スミちゃんはどこまでも天使みたいな子だな。
「ていうか、なんで日傘差してるの？」
SM「ああ、私、体弱いんだ。ずっと外出てると気分悪くなっちゃうの」
ほんとは体育祭で走ったりしたいんだけどね、と困ったように笑った。
「そうだったんだ....」
白くて細いスミちゃんの体が、より一層、今にも消えてしまいそうに感じた。
SM「でも、全然大丈夫だよ！普通の人よりちょっと体力がないだけで」
「...絶対、無理はしないでね」
SM「うん、ありがとう」
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作者名：ゆう | 作成日時：2021年9月16日 7時
