一緒がいい ページ48
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体育の先生がよく通る声でそう伝えた。
LN「種目別ってことは、綱引きとかムカデとかってことだよね」
「そーじゃない?」
そうなると、他学年も一緒に練習することになる。
すると案の定、下の学年の生徒たちがゾロゾロとグラウンドに集まってきていた。
「てことで、ブロック別に各種目のリーダーは指導頼む、解散!」
先生の合図とともに全員がそれぞれの場所に移動しだした。
私は借り物競争と二人三脚。ちなみに特になんのリーダーもしていない。というか、運動はあまり得意じゃない。
LN「A、二人三脚被ってるし一緒に行こ」
「うん、もちろんうちらで組むよね」
LN「いやいやいや、何言ってんの」
アレを見なさいよアレを、とリナが指差す方を見ると、二人三脚に出る生徒たちの中にハルトの姿があった。
あれ、私とハルトって、同じブロックだったんだ。
......じゃなくて!!
「何言ってんの、渡辺となんて組むわけないじゃん」
LN「いーや、死んでもハルトくんと組んでもらう」
「死んでも嫌」
もう、何言い出すかと思えば...
「はい皆ー、後ろも聞こえてるー?じゃあ2人1組作る所からだけど、組む人自由なので、なるべく体格差ない方がいいけどそれをカバーできるほど息ピッタリなら全然OK!決まった人から報告しに来てくださーい!」
LN「ほら、リーダーも言ってるし組むべきだよ」
「だから聞いてた?体格差あったら不利だって」
LN「Aこそ聞いてたわけ?息ピッタリほど強いもんないよ」
「それなら私とリナでしょ?!」
LN「ううん、私たちってほら、性格とか全然似てないし__」
HT「せんぱい」
「ヒィッ」
LN「お、噂をすればぁ〜」
「えっ何どーしたの?!」
HT「...何をそんな慌ててるんすか」
少し呆れたようにこちらを見るハルトと目が合わせられない。
なんだか、好きだと自覚してからまともに顔を見れなくなってしまった。
HT「先輩、聞いてます?」
「え、な、なに?」
HT「だーから、組みましょうよ、2人で」
「....はい?」
待て待て、なんでそーなるの!?
「私と?友達とは組まなくていいの?」
HT「ほんとは友達との予定だったけど、先輩がいたので」
いや尚更わかんないよ!!友達ほっぽかしてまでどーして?
HT「先輩がよかったから」
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作者名:ゆう | 作成日時:2021年9月16日 7時