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「よし、できた!」
5日間徹夜して作ったお守り。
ひーくんって猫っぽいから、猫をモチーフにしたお守りを作った。
ついに明後日、最後の試合。
絶対勝ってね、ひーくん。
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次の日は、放課後に学校近くのカフェに待ち合わせして、お守りを渡すことになった。
....けど。
「遅いな、ひーくん」
もう20分は過ぎてる。
いやでも、明日試合なんだから色々忙しいよね。
もうすぐしたら絶対、来るよね。
待ってるよ、ずっと。
きっと来る、きっと。
どれだけ待っただろうか。
気がつけば、1時間が過ぎようとしていた。
どうしちゃったんだろう。
まさか、事故に巻き込まれたりしてないよね?
電話にも出ないし、、
私は不安になってカフェを飛び出した。
「はぁ、はぁっ、」
沢山走ったけど、ひーくんらしき人は見つからない。
まさか本当に______
「わっ」
ローファーが段差に引っかかって躓く。
「いった、」
膝にはじんわりと血が滲んでいた。
う.....だめだ、泣いたら。
ひーくんを見つけないと。
自分を奮い立たせてもう一度立ち上がる。
「ひーくん!」
どこにいるの、どこに____
"まさかさ、アサヒが本気だと思ってる?"
もう、なんでこんな時にあいつらの言葉が。
信じてるよ、だってひーくんだもん。
あの笑顔を、誰が信じられないって言うの。
普段は無表情だけど、あの澄んだ目だけは嘘なんかついてない。
ひーくんだから信頼出来る。
ひーくんだから、本気で、私のことを大事にしてくれてる。
「........ねぇ、そうだって言ってよ、」
そう思ってた。
そう思ってたのに_________
どうして、知らない女の人と一緒にいるの
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作者名:ゆう | 作成日時:2021年9月16日 7時