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サンコイチ ページ3

ヨシくんとは、幼い頃からずっと一緒にいる。

私の一個上で、普段は何かとほわわんとしてて、すごい頼りなく見えるけど、案外面倒みはいいんだよね。

なにより、すっごく優しい。

私が小学校低学年、2年生位だったかな、近所の男子にいじめられてた時もヨシくんが助けてくれた。

後に、そんとき実は足震えたんだぜって武勇伝みたく語ってたっけ。

そんな飾りっけのない、ありのままで接してくれる彼だからこそ、一緒に居て心地よいと思える相手だ。

そして、一人っ子の私の、お兄ちゃんみたいな人だ。

リナとは中学生からの付き合いだけど、高校に入ってからも相変わらず2人で馬鹿し合うのが楽しくて、性格は真反対なはずなのに、ここまで波長が合う友達なかなかいないな、なんて思う。

中学の時から、よく3人で遊んで、何でも言い合えて、笑い合える、私の、私たちだけのかけがえのない存在だ。


LN「Aはよ歌えよ〜」

YS「そーそー、お前のために来たんじゃんか〜」

「わーった、歌ってやんよ」

私の十八番、ミチョガネ!!


「だけど今日も〜君はいな〜い〜僕のそば〜にい〜

....あれっ?ハハ、」



気がつけばだんだん目が霞んでいって、目から一筋の雫がつーっと伝っていた。



「....ヨシくん?リナ?」


LN「まだ無理して笑わなくたっていいのに」


「うぅ、2人とも苦し....」


2人を引っ剥がすと、ヨシくんの目元が濡れていた。

「え、ちょ、なんでヨシくんが泣いてんの笑」

YS「え、あ、いやなんか、つられて?」

慌てて袖でゴシゴシと拭う姿に、思わず笑ってしまった。

YS「うん、Aには笑顔が1番!」

「なによ急に笑」

LN「ほんとにそーなんだからね?」

「.......ありがと、2人とも」

傷はまだ癒えたわけじゃないけど、このふたりがいてくれればもうなんだっていい、そう思った。

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作者名:ゆう | 作成日時:2021年9月16日 7時

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