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波乱のクリスマス 2 ページ17

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ミナちゃんのケーキも食べ終わり、そろそろ本格的に歌うか、という雰囲気になってきた。


LN「とりあえずクリスマスソング歌おーよ!」

みんな賛成ー!と声を上げると、やっぱこれでしょ、とリナが機械のボタンを押していく。

音楽が流れ始めると、我こそが、とリナとハルトとケンタくんが前へ詰め寄り、2つしかないマイクの争奪戦を始めた。


その間ミナちゃんがケーキの片付けを一人でやっていることに気づいて、私も手伝うよ、とケーキを切ったナイフを手に取ると、ミナちゃんはありがとうございます〜、と微笑み返した。


その直後だった。



MN「いたっ、」



一瞬何が起こったのか分からなくてミナちゃんの手の甲を2度見すると、スーッと入った一筋の線から、真っ赤な血がじんわりと滲んでいた。


KT「どした?」


ミナちゃんの声に振り向いた3人は、ミナちゃんの手の甲と今にも泣き出しそうな顔を見て駆け寄ってきた。



MN「いや、A先輩が私の手に気づかなくて、ナイフ手の上に置いて、」



え?

ちょっと待って、話が違う。私はナイフを持ってただけだし、ミナちゃん側に寄せてもない。

いやむしろ、私にはミナちゃんが明らかにナイフの方に手を振り上げたようにしか見えなかった。


「ご、ごめん」


ともかく、怪我してるのは事実だから謝ることしか私にはできなかった。というか、頭が混乱して何も言葉が出てこなかった。


HT「めっちゃ血ぃ出てんじゃん」


来い、とハルトはミナちゃんの手を引いて部屋の扉から出ていった。



どうしてだろう。


ミナちゃんに嘘をつかれたことよりも、ハルトが本気で心配そうな顔していた事の方がずっと苦しい。


私は2人が出ていった扉をただ呆然と眺めていると、リナが「気づかなかったんならしょうがないよ」と私の背中を軽く叩いた。



いや、違うの、私が悪いんじゃない、

そう言おうとしても、なぜか喉から声は出てこようとしなかった。

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作者名:ゆう | 作成日時:2021年9月16日 7時

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