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波乱のクリスマス ページ16

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ついにクリスマスの日。
待ち合わせはカラオケということになった。

バイトはと言うと、店長に言ってみたところ快く休みにしてくれた。




LN「お、A〜」

リナがカラオケの入口前からブンブン手を振った。

ちょっと早かったかなと思ったけど、リナとケンタくんはもう着いていた。


KT「寒いし、中で待ちます?」

「そうしよっか」


フロアに座っていると、待ち合わせの時間ちょうどぐらいに2人がやってきた。


HT「やめろってば」

MN「なんでよ〜」


ハルトがミナちゃんの手を振りほどくと、ミナちゃんはまたがっしりと掴んだ。


なんか、まるで2人ともカップルみたい。


と、私はまたあることに気づいた。




.....ん、何このモヤモヤ、、、



また、いつの日か感じた得体の知れない、気持ちの悪い感情が心に湧き上がってきて、慌てて首を横に振った。


KT「揃ったし、入りましょっか」


部屋に着くと、ひとまずみんなバッグやらコートやらを脱ぎ捨てる。


MN「あ、あたしケーキ持ってきましたよ〜」

そう言うとミナちゃんは白い紙袋からチョコのホールケーキを取り出した。


LN「うお!!ミナちゃんナイス!」

HT「めっちゃ美味そう」

MN「じゃあとりあえず切るね!」

KT「あ、ハルト1曲目歌えよ」

え、俺?とフォークで自分の顔を指しながらも、満更でもなさそうに曲を入れ始めた。

HT「..よし、じゃー1曲目いっきまーす」

と流れ始めたのは、世界的に有名なアーティストの、クリスマスとは程遠い激しいラップ曲だった。

てかこの曲相当難しそうだけど?


なんて思っていた私の予想を遥かに覆し、お前はラッパーかと言いたくなるほどの技術で、部屋の空気を一気にハルトの色に変えてしまった。


「..え、ラッパー志望?」

HT「はは、ガチなっちゃおっかな俺」


やつがなんでも出来そうなことは何となく予想ついてたけど、まさかラップまで出来ちゃうなんて。ムカつこうにもムカつけない。


HT「先輩もなんか歌ってくださいよ」


「え、いやだよ」


HT「カラオケって歌うとこっすよ?」


はい、とマイクを無理やり握らせようとしてきたので慌てて両手を後ろに隠す。


HT「もー、先輩が歌上手いの知ってますから」


「あら残念、私の最高点59点だから」


HT「ブッ、59とか逆にどうやってとるんっ、」


思いっきり吹き出して笑い始めたので首をガッ掴んでやると、「いて!!ごめんなさいってば!!」と喚き出したので離してあげた。

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作者名:ゆう | 作成日時:2021年9月16日 7時

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