記憶から消える ページ44
俺は赤髪の青年に渡されたカードを頼りに一つの地下のバーに着いた。
「此処がバー『ルパン』……」
とても素敵な雰囲気だと思いながら扉を開いて中に入る。
すると赤髪の青年がバーカウンターに座っていた。
……どうやら彼一人の様だ。
俺はそう思いながら青年の横の椅子に座る。
「あの、お礼をしに来たんですが……」
「お礼？なんのことだ？何処かで会ったか？」
そう疑問を浮かべて尋ねてくる青年にしまったと心の底から思った。
あぁ、くそ…忘れられる事を失念してた…
そう思いながらも駄目もとでカードを差し出して言う。
「その今日たまたま飛んできたガラス片を…」
「あぁ、思い出した。あの時の少年だったか。本当に来たんだな」
そうカードを見た途端まるで本当にたった今思い出したかの様に頷いたのに驚く。
俺は困惑しながらも口を開いた。
「お、思い出したんならいいんですけど…そのこんなものしか用意出来ませんでした」
「ありがとう」
俺が菓子の入った紙袋を手渡すと青年は嬉しそうに笑った。
そしてまた真顔になったかと思うと尋ねてきた。
「なぁ、まるで本当に会った事の無いみたいにきれいさっぱり忘れていたのにそのカードを見た途端思い出したんだが何でなんだ？」
「あ〜……」
言って良いものだろうか？
……しかし、彼の言う通りなら能力は発動したのに思い出した様だしこの異能が解ける方法が分かるかもしれない。
俺はそう思いながら口にした。
「俺、異能のせいでほんの少ししか話さなかった人とかの記憶から消えるんですよ」
「そう、なのか……だが、それなら何故俺はカードを見た途端思い出したんだ？」
少しだけ悲しそうにしたあと青年が尋ねてくるのに俺は首を傾げる。
「………う〜ん。分かんないっす」
「そうか…まぁ、異能はよくわからない不思議な物だしな。あぁ、自己紹介がまだだったな。織田作之助だ。よろしく」
そう言う青年、織田さんの言葉になんだか俺は妙に納得する。
確かに異能って不思議な物だし答えなんて出ないか。
そう思った後俺は彼が差し出してきた手を握って笑う。
「俺は桐崎A。よろしく織田さん」
何故思い出したかはまた考えれば良いなんて思いながら。
【桐崎君にとっての周りの印象】
乱歩：唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。
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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます！思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました（笑）続編頑張りますね！！ (2019年7月8日 0時) (
レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます！更新頑張りますね！！ (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！更新頑張ってください！応援しています！ (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます！まだ推敲中ですががんばりますね！！ (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)
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