俺が正しいと思った事 ページ18
「はーやだやだ。大人の喧嘩は妙に理屈っぽくて」
「……」
「？」
少年の言葉に俺は黙り、少女は首を傾げた。その様子に気づいた少年が言う。
「ん？あぁ、これはね。福沢さんが戦ってる内に君を逃がす。そういう作戦。しかし、君はあの医者側だと思ってたんだけどなー？え〜と」
「桐崎Aだ。別に、俺は森さんには世話になってるがあの人についた訳じゃない…だから俺が正しいと思った事をしただけだ」
「ふぅん…ま、そう言うことだよ」
そう少年が無邪気な笑みで少女に言うと少女はポツン…と溢した。
「……戻して」
「ん？」
「戻して。外に出ては……」
「何故？」
まるで外に出る事を忌む様に、恐れる様に言う少女に少年は尋ねる。
何となく察した。
俺はあらかじめ彼女は治癒異能者だと森さんから聞いていた為に容易に想像出来た。
彼女が抱えている苦しむ理由が。
森さんの『不死聯隊』と言う言葉の意味が。
少女はうつむき震える声で言う。
「妾の異能は……命を簡単に救う。だから、妾の周りでは命の値段が安くなる……これ以上生きてる訳には……」
俺は少女の言葉に昔の自分を思い出した。
望んでいないのに勝手に願いは叶えられ、絶望した日々を思い出した。
やはり、この少女は俺と同じく望まぬ異能を持った少女なのだと思った。
そんな事を考えていた俺とは反対に少年は少女の言葉に呆れた声を出した。そして少女の目の前に行き言う。
「はぁ〜〜！馬鹿らしい！どーーでもいいよそんなの！嫌なら能力使うのやめればぁ？」
「……それが出来たら……」
「出来る訳無いって？治癒能力が凄いから？」
反論しようとする少女に少年は天を指差し無邪気に答える。
「違うね。僕の推理力が世界一！あとはどうでもいい能力！仮に探偵社でも君の出番は無い！僕が居れば全部解決するからね！」
唖然とした目で見る俺と少女に対して少年は笑って言う。
「疑うなら証拠を見せようか？」
手に握っていた物を少女の手に少年が乗せる。
途端に少女の目に光が灯り驚きに満ちた顔になった。
「……！これは何故！？これの事は誰にも話してないのに…！」
【桐崎君にとっての周りの印象】
乱歩：唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。
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那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます！思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました（笑）続編頑張りますね！！ (2019年7月8日 0時) (
レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます！更新頑張りますね！！ (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！更新頑張ってください！応援しています！ (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます！まだ推敲中ですががんばりますね！！ (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)
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