Legend Story5 (ページ9)

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郁人side

《ピーーーッ!!》

「__!…祥にぃ!?」

「良亮!先行け!!」

俺のことを気にして振り返った良亮に先に向かうように促す。

駆け出した良亮の後を追ってリビングに急いで戻ると、祥にぃと良亮が晃にぃの身体を抱き起こして座らせているところだった。

「ッゼーッゼっ…げほげほげほっ__ヒューヒュー…」

「発作!?」

晃にぃの後ろに座り、包みこむように胸元に腕を差し込んで晃にぃの身体を支えた祥にぃは、手を耳に当てて口パクで救急車!と叫んだ。

俺は慌ててスマホを取り出して救急車を要請。

祥にぃの腕の中の晃にぃは、チアノーゼが出かかっていて爪先や唇が紫色に染まっていく。

救急車が来るまでの間に、祥にぃは何度も背中を強く叩いて絡まった痰を出させようとしていたけどうまくいかず。

こんな酷い発作は久しぶりで、苦しそうな晃にぃを前に俺は何もできなかった。

「良亮、俺たちもすぐに後を追うけど、何かあったら連絡して。」

「うん、わかった!」

ストレッチャーに乗せられて、救急車に運び込まれた晃にぃ。祥にぃと良亮が付き添いで救急車に同乗して。

俺は、ひとまずここに残ることにした。

この騒ぎに起きてきたけど、何が起こったのか理解できずに遠くの方でじっとこちらを伺っている僚にぃの元へと向かう。

「…どうしたの?」

僚にぃの声は不安に揺れていて。そりゃ朝起きてあんな状態だったら誰だってビックリするわな。

「晃にぃが喘息の発作酷かったから救急車呼んだの。
僚にぃの準備が終わったら一緒に病院行こう」

そう言って、僚にぃの準備が整うまで、俺はいつどんな連絡があってもいいようにずっとスマホを握りしめてた。