Legend Story5 (ページ39)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:122,394 hit

4 ページ39

僚にぃのことを落ち着かせられるかパニックにさせちゃうか、俺の戦歴は五分五分。
まだにいちゃんたちには敵わねえ。

でも先生しかいないところで不安な僚にぃには俺は救世主だったみたい。

「よし、じゃあ良亮くん先にやろう」
「え"!?俺別に熱ないよ!?」
「良亮くんが平気な感じで全然痛くないって言ったら僚一くんも安心するだろ。良亮くんは鼻の粘膜採らないから大丈夫」

俺が診察室に顔を出した瞬間、先生に捕らえられて椅子に座らされた。
一瞬やな顔した俺に先生は小声＆早口で説明すると、僚にぃに声をかける。

「ほら、良亮くんやるよー。…はい、終わった。ね、すぐでしょ？」

鼻に入ってきた綿棒は本当に入り口付近を擦っただけで全く痛くない。これじゃ検査はできないし意味ないんだろうけど、僚にぃを納得させるには十分だったみたいだ。

「うー…良亮、いたい？」
「痛くない！全然痛くないよ！くすぐったいだけ！ほら僚にぃ、おいで。」

騙してるみたいで少し罪悪感はあったけど、これも検査するため！仕方ない！
診断ができないとお薬もらえないしね！

しぶしぶ近寄ってきた僚にぃに俺が座ってる椅子を譲る。

「ほらーリラーックス！」

もみもみ、と肩を揉むふりをしながら、少し身体を押さえた。

「はい、いくよー。さんにーいち…はい、終わり！」
「うわーっ！いたいーぃい！！」

生理的な涙を目に一杯溜めた僚にぃは先生からそっぽを向いて俺の腹に顔を埋めた。
鼻の奥が刺激されたせいで鼻水が出てきたみたいで、頼むから俺のTシャツで拭かないでー！