Legend Story5 (ページ14)

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祥太side

談話室にいた二人の姿と、元気のない郁人。

____…何かあったんだ。

追い出されたって、晃にぃが出てけって言ったのかな？

僚ちゃんの言葉はいつもどこか足りないから、いまいち伝わらない。

晃にぃが出てけって言ったんだとしたら、宥めて仲直りさせないと。あそこの二人が喧嘩したら後々面倒くさい。

そんなことを考えながら病室に向かって歩いていたら、晃にぃの病室からぞろぞろと看護師さんが出てきた。

「…?あっこ、晃にぃの病室だよね?」

良亮も気づいたらしく、すれ違う何人もの看護師さんを目で追っている。

そうだなぁ、なんて相づちを打ちながら病室に入ろうとすると、先に入った良亮が急に立ち止まったせいで、俺は良亮の肩に鼻を強打した。

「___っ!………??」

急に立ち止まったまま扉から足を踏み入れずに動かない良亮。

どうしたのかと思い、肩越しに病室を覗いてみると、晃にぃは先程までと違い、人工呼吸器に繋がれていた。

先生が晃にぃの病衣の前を開けて、聴診器で胸の音を聞いているところで。

元気のない郁人も病室から出てきた大勢の看護師さんも、全てが繋がった。

また発作が起きたんだ。しかも重度の。

「……お、良亮くん。祥太くん」

診察が終わったらしい先生が俺たちに気づいて、ビックリさせちゃったかな?って安心させるように微笑んだ。

「郁人くん、怪我とか大丈夫だった?
目覚ましたときに晃一くんがパニックみたいになっちゃって。郁人くんには少しショッキングだったかも」

ピッピッと機械を操作しながら、横に立った看護師さんがカルテに何かを書き込んでいる。

じっと人工呼吸器に繋がれて動かない晃にぃを見ていた俺たちに気づいたのか、先生は側においで、と手招きした。

良亮の背中を押して一緒に病室の中に入る。

「心配しないで。少し安定するまで、人工呼吸器に呼吸管理してもらっといた方がむしろ安心だから」

先生は晃にぃの胸につけた心電図のコードをまとめて、病衣の前を留めて布団をかけた。

「鎮静剤打って強制的に眠らせてるから、しばらくは目覚めないと思うけど…。
一緒にいてあげてくれるかな?」

俺が頷いたのを見て、良亮も小さく頷く。

早く良くなるといいね、とそっと晃にぃの頭を撫でて、よろしくね、と俺たちの頭も撫でて。
先生はカートを引いた看護師さんと出ていった。