悪女潰しの依頼が届いたようです【HQ】The mystery of twins (ページ19)

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依頼人が十七人ページ19

『岩泉先輩、スポドリどうぞ』

岩「おう」

及「Aちゃん？なんか、電話鳴ってない？」

『え？』

【岩泉一】にスポドリを配っているAは隣にいる及川にポケットにあるスマホを取られる。朝方ではないAは眠たい目を擦りながら及川の持っているスマホの画面を覗く。岩泉も二人につられて画面を見る。

及「【谷地仁花】？この子って烏野のマネちゃんじゃない？」

岩「知り合いなのか？」

『前の学校が烏野高校だったんです。スマホ、貸してくれません？』

及「はいどうぞ」

及川はAにスマホを渡す。Aは体育館の外に出ていった。残された及川と岩泉はAの姿が見えなくなると、二人で顔を見合わせる。

及「ねぇ？岩ちゃん、、、烏野から青城まで転校って可笑しくない？」

岩「すげ－近距離の転校だな。さほど変わらねーだろ」

及「怪しいな～？何か隠しているのかな？」

岩「そんなことより練習すんぞ」

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『もしもしー？』

影「Aさん？！」

『影山君？！』

電話から影山の声が聞こえて、思わず大きい声を出して驚く。驚くのも無理はない。谷地からの電話なのに影山の声がしたらできない誰だって驚くだろう。

『影山君どうして電話に、、、』

影「谷地さんにスマホを貸してもらって」

『そう、、、どうしたの？電話して』

影「あっ、、、。いやっその、、、」

影山の声が途切れると、Aも口を閉じる。気まずい沈黙が電話越しで二人の間を流れる。

『、、、影山君さ』

影「え？何ですか？」

『怒りってなんだろう』

影「は？」

Aは青い空を見上げる。雲一つもない晴天で、ポカポカして気持ちがいい風が吹いている。水色の髪がユラユラ揺れている。Aは後ろにある壁に寄りかかるとポケットの中に右手を入れる。

『ある古典文献学者がとある言葉を残しているの』

影「古典文献学者？」

『古典文献は過去の文章、言語を扱う学問のことを言うらしいの。高校生には分かりずらいかな？』

影「はぁ、、、」

『その古典文献学者が言葉、、、名言？みたいのを残しているの』