【銀魂】黒髪警察の寵愛

108［一粒の涙］ ページ18

川岸に降りると靴を履いたまま冬同然の冷たさの川へと入った

寒さなんてどうでもよく、今の頭の中にはボタンのことだけしかなかった

川の水はふくらはぎくらいの水かさで

そんなに深くないこの川は夏場幼児や子供で賑わう。

深くない...のだが、もう外は暗くなっていた。









A｢...ボタン、ボタン｣









手元が見えない。

とにかくAは川に手を沈めて手探りで一心不乱にボタンを探した｡









A｢ない...どうしよう...｣









すると突然手に痛みがはしった

反射的に手を水から上げ、手を確認すると何かで手の甲が切れていた

Aはまゆを寄せるとイラつきでそのまま手を水につけて再び探し出した｡

あったと思えば小さな石ころだったり､しゃがんでいて腰が痛くなったり。









A｢見つかれ...！｣









＿＿夜の暗い外は心細くなる。







前にも似たように思ったことがあった。









A｢土方さんに怒られたらどうしよう...

嫌われたらどうしよう...









もう会ってくれなかったら...どうしよう｣









心細さは人を不安にさせるのが得意なようで、Aはボタンを手探りで探しながら

ポロリと涙をこぼした。

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