いつでも様子を伺って ページ48
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彼を避けてから数日が経った。
話しかけようと頑張ったんだけどやっぱり無理で、今もその状況下の元で頭を抱えている私がいる。
「駄目だ〜…」
やっぱり駄目なんだ。
元々アイツとは、あぁいう関係になっちゃいけないんだ。そんな考えが私の足元を固めては、徐々に足枷となっていく。
悶々とした頭の中のまま、帰宅時間となり私は下駄箱に手をかけた…のだが、気配がして下駄箱の裏に隠れる。
「ったくお前は面倒事しか持ってこねぇな…」
「それほどでもないんですけどねィ」
「褒めてないからね!!」
土方君と沖田の声だ。この前じゃ見つかってしまう。上靴のまま外に出るしかないかもしれない。
脱出で出口へ。そうするしか逃げ道はないのだ。今の自分には!!
(そうと決まれば…行動するのみ…!!)
彼らが小さなケータイ画面に集中している隙を見て、ここ一番の速さで走った。
走ったつもりだんだんだけどね、私は。
「逃亡者確保〜。」
「ぎゃー!!殺されるッ!土方君助け…助けて!!まだ死にたくない!」
「殺されたいのかテメェ。」
「申し訳ない。」
首根っこ掴まれて呆気なく捕まった私。カッコ悪くて項垂れる。
数日とはいえ、今まで本当にうまいこと逃げていたから数日が数週間のようだ。
それくらい、会いたくなかった。
「邪魔か、俺」
「邪魔じゃない!!寧ろここにいて、土方君!!」
懇願する勢いで私は土方君の裾を思いっきり掴んだ。久々にまじかで見た、彼の双眸に冷や汗が出た。
「じゃあ帰るぞ、雌豚」
「おうコラ、なめてんのかワレ」
「何日も俺を避けてた奴に言われたくねぇんだけど。テメェがなめてんのか、コノヤロー。」
「ごもっとも…」
数日間避けてたというのにも関わらず、彼は至って平常心で、いつも通り。
何も変わらない様子に胸をなでおろしている私がいた。
このまま私もいつも通りにしていれば普段と変わらないような馬鹿をしてられるんじゃないか、ってね。
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「あのさ…」
土方君と分かれた途端、その話を切り出そうとして来た。
(やっぱり油断大敵だコイツ!!)
私は大人しいふりしてその話が来た瞬間に走った。
結んだ髪の毛がぼさぼさになることにも構わず、ほんとなりふり構わず走った。
後ろなんて振り返らずに。
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百済(プロフ) - シナモンさん» 続編に突入させて頂きました!よければ読んでやってください…! (2018年3月24日 15時) (レス) id: fe9dde1d5a (このIDを非表示/違反報告)
シナモン - とっっっっても面白いです!更新待ってます! (2018年3月4日 18時) (レス) id: 65aef19a67 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!コメントとても励みになります!!今土台を作っております!頑張ります… (2017年8月1日 16時) (レス) id: bb23ef3dbe (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 凄く面白いです!次章も気になります!更新頑張って下さい!!応援してます!! (2017年5月19日 20時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - アルハさん» それは良かったです!! 少し多忙なので、それがひと段落ついたら第2章に進みたいと思っておりますので宜しくお願いしますm(_ _)m (2016年11月27日 22時) (レス) id: f608f6dd31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百済 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/54efcae0b51/
作成日時:2015年5月3日 18時