テストはいつでも油断禁物 ページ10
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「狭い家だからAの部屋に布団ひいちゃった、うふ」
「はィィィィ?!待てお母さん!私ら高校生だよ!
思春期バリバリの高校生様だよ!ひとつ屋根の下って...!
しかもおんなじ部屋って!あと『うふ』って何!?絶対知っててだよね!」
「母上ぇぇぇえ!」という私の叫びは母上には聞こえず。
お風呂に入ったばかりの私のろくに拭いていない髪からはポタポタと雫が落ち
私の代わりに涙を流しているようで落ちている水滴を見てなんだか切なくなった。
ぐったりしていればいつの間にか風呂から上がりジャージを着た沖田が隣に立っていた。
「安心しな、リビングで寝るから」
「私がリビングで寝るよ。客人様にましてや沖田様にソファーで寝かすなんてできないからね」
「よくわかってるじゃねぇーか。じゃ、よろしく頼まァ」
ほかほかした栗色の髪の毛をタオルでわしゃわしゃしながら女子の部屋にナチュラルに
入っていこうとする沖田を慌てて止めた。
「なんでィ、沖田様にソファーで寝てもらうわけにはいかねんだろ?」
「はい、ここでクイズです。」
「は?」
「こんなシチュエーションの時女子が喜ぶ行動をとりなさい!」
心底嫌そうな顔をする沖田に構わず私は仁王立ちで私の部屋の前に立ちふさがった。
が、へっくしと女の子らしくないくしゃみをすれば沖田はため息をついて
持っていたタオルを私の頭に被せ、ぐしゃぐしゃと掻き回した。
「風邪引かれたら困るんで。」
なんて言い残してリビングの方へと向かう沖田の背中を
ただ見つめているしかその時の私はできなかった。
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百済(プロフ) - シナモンさん» 続編に突入させて頂きました!よければ読んでやってください…! (2018年3月24日 15時) (レス) id: fe9dde1d5a (このIDを非表示/違反報告)
シナモン - とっっっっても面白いです!更新待ってます! (2018年3月4日 18時) (レス) id: 65aef19a67 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!コメントとても励みになります!!今土台を作っております!頑張ります… (2017年8月1日 16時) (レス) id: bb23ef3dbe (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 凄く面白いです!次章も気になります!更新頑張って下さい!!応援してます!! (2017年5月19日 20時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
百済(プロフ) - アルハさん» それは良かったです!! 少し多忙なので、それがひと段落ついたら第2章に進みたいと思っておりますので宜しくお願いしますm(_ _)m (2016年11月27日 22時) (レス) id: f608f6dd31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百済 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/54efcae0b51/
作成日時:2015年5月3日 18時