マネージャーが無敵すぎて (ページ13)

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きっかけ。ページ13

なんだか今日はおかしい。

理由は一つ。

俺らSEVENTEENが一位候補になっているからだ。

どんなときでも、ありのままの今の実力を出し切るだけだと思っていた。

でもやっぱり、意識しちゃうもんなんだな。

みんながソワソワしているのを眺めていると、ふと思い出した。

あれが、きっかけだったな。

"いぇっぷだ"

そう思う瞬間、そこにはいつもAヌナがいる。

何気ない返事。何気ない仕草。

何もかもが俺にとって魅力的だ。

Aヌナが纏うその感性、なんと言葉で表現すべきだろう。

ただそこに、

俺の作業室のソファに座って、

俺のギターを触っている。

わぁ、そのコードの繋ぎ方、すっごくヌナっぽい。

何でも器用にこなすんだよなヌナは。

左利きなのに右で弾いてるとか……バケモンだ。

『ジフナ…？』

ヌナの声に、ふと我に返る。

『…どしたの？話があるから呼んでくれたんでしょう？』

そうだ。どうにもならなくて俺がヌナを呼んだんだった。

WZ「表現したい感情があるんだ。」

『ん、分かった。弾いてみて？』

おいで？と、ソファを軽くたたくヌナ。

吸い込まれるようにヌナの隣へ。

ギターを渡され、聴かせて？と俺を待っている。(かわいい)

弦に指をかける。

会話のようで、そこに言葉はない。

俺とヌナだけの特別な会話。

少しの優越感。

伝えたい感情を音に込める。

WZ「こんな感じなんだけど…」

どうかな、と伺う。

『ジフナ。』

ぱっちり目が合う。

『もどかしい恋を、してるんだね？』

花のように微笑見ながら、そう言うAヌナ。

WZ「えっ…と、いや、その……」

挙動不審になる俺。

『カラットちゃんは、幸せだぁ〜』

え、、、。

びっっっくりしたぁぁ！！(ジフナ心の声)

ギター貸して〜、と俺からギターを受け取るヌナ。

一瞬触れた指先から

伝わってしまいそうな俺の心臓の音。

『ねぇ、ジフナ。ここ、こうなんじゃない？』

ギターに触れた指先が奏でる音色は

とても優しく、切ない。

WZ「いぇっぷだ。」

思わず口からこぼれた言葉。

そう、この感情はその音で伝えたかったんだ。

『ん？なんて？』

WZ「内緒。ヌナありがとう。」

『えっ…もうおわり？』

WZ「うん、やっぱヌナすごいや。」

『これ私、遊びに来ただけやん。』

WZ「いくらでも遊んでけ。」

できれば、もっと長くいてくれると嬉しいな。

これが、この曲の誕生日。