. ページ5
.
インターハイの予選が始まり、
着々と勝利し、全国大会への切符を獲得した。
『ぐすっ……すご…京治すごいぃ』
赤「俺じゃなくて、みんながね笑」
『京治がトスあげるから、みんながスパイク決めるんだよ?』
赤「それなら、リベロの小見さんがどんなサーブも俺のところに持ってきてくれるからで…」
『京治!』
赤「……何」
『おめでとうって言ってるの。東京に高校何校あると思ってるの?その中で全国行けるのは3校だけ。………すごいよ、京治。本当におめでとう』
面と向かって、一切目を逸らさずに
俺に満面の笑顔と、おめでとうをくれる。
不覚にも
心臓が"ぎゅっ"とした。
赤「……そうだね、素直に喜ぶよ。ありがとうA」
『あのね、ここだけの話〜』
赤「ん?」
『木兎先輩のことはたっくさん応援したんだけど、私はね、京治のことはたっっっっっっくさん応援したんだよ?私の目にはね、かっこいい京治がたくさん映ってて、もうご馳走様って感じ♪京治は、どんどんかっこよくなるな〜』
えへへって笑うAに
俺は何か堪えるものを感じた…
何だろ、コレ。
手が震えてる
決して寒いわけはないし
脳が、堪えろと信号を送る。
『明日、ご褒美の映画、楽しみだね』
赤「ハハ…苦手なホラーなのに?笑」
『京治ホラー好きでしょ?』
赤「俺はね。でもAと木兎さんは苦手でしょ」
『京治が好きならいいじゃん。頑張ったのは京治なんだから』
赤「木兎さんは?」
『木兎さんはホラー映画見たいって言ってたから』
赤「そっか。……楽しみだね」
『うん。じゃあ京治、また明日ね、おやすみ』
赤「おやすみ」
後ろを向きながら手を振って進んでいくAに
前向かないと転けるよと世話を焼きたくなる。
隣の家に
門を通った後も手を振って、
玄関に入る間際ももう一度手を振るA。
それを全部見送って、
俺はやっと、ただいま、と自宅の玄関を開けた。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:m | 作成日時:2023年11月29日 16時