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インターハイの予選が始まり、

着々と勝利し、全国大会への切符を獲得した。




『ぐすっ……すご…京治すごいぃ』

赤「俺じゃなくて、みんながね笑」

『京治がトスあげるから、みんながスパイク決めるんだよ?』

赤「それなら、リベロの小見さんがどんなサーブも俺のところに持ってきてくれるからで…」

『京治!』

赤「……何」

『おめでとうって言ってるの。東京に高校何校あると思ってるの?その中で全国行けるのは3校だけ。………すごいよ、京治。本当におめでとう』




面と向かって、一切目を逸らさずに

俺に満面の笑顔と、おめでとうをくれる。




不覚にも

心臓が"ぎゅっ"とした。




赤「……そうだね、素直に喜ぶよ。ありがとうA」

『あのね、ここだけの話〜』

赤「ん?」

『木兎先輩のことはたっくさん応援したんだけど、私はね、京治のことはたっっっっっっくさん応援したんだよ?私の目にはね、かっこいい京治がたくさん映ってて、もうご馳走様って感じ♪京治は、どんどんかっこよくなるな〜』




えへへって笑うAに

俺は何か堪えるものを感じた…




何だろ、コレ。


手が震えてる

決して寒いわけはないし


脳が、堪えろと信号を送る。





『明日、ご褒美の映画、楽しみだね』

赤「ハハ…苦手なホラーなのに?笑」

『京治ホラー好きでしょ?』

赤「俺はね。でもAと木兎さんは苦手でしょ」

『京治が好きならいいじゃん。頑張ったのは京治なんだから』

赤「木兎さんは?」

『木兎さんはホラー映画見たいって言ってたから』

赤「そっか。……楽しみだね」

『うん。じゃあ京治、また明日ね、おやすみ』

赤「おやすみ」




後ろを向きながら手を振って進んでいくAに

前向かないと転けるよと世話を焼きたくなる。


隣の家に

門を通った後も手を振って、

玄関に入る間際ももう一度手を振るA。


それを全部見送って、


俺はやっと、ただいま、と自宅の玄関を開けた。

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作者名:m | 作成日時:2023年11月29日 16時

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