きみの純心【赤葦京治】 (ページ4)

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『京治、木兎先輩がね、映画見に行こうって』

赤「………は？2人で？」

幼馴染はいきなりぶっ込んでくることが好き。

天然で疑うことをしない
純粋無垢なAは、俺をよく驚かせる。

Aのことはよく知ってるつもりなのに

その斜め上を行かれることもしばしば。

今回は、コレだった。

最近仲が良いし、

2人で話してても俺が間に入らなくてもよくなった。

放っておいたらコレですか。

木兎さん、貴方って人は…。

赤「それで…デートはいつ行くの」

これはそろそろ俺卒業の日も近いのか？

Aのそばに居られるのも…。

『？何言ってるの？京治も一緒にだよ』

にっこり笑いながらそう言うA…

赤「木兎さんがそう言った？」

『ううん、私が、京治が一緒じゃないと行きませんって言ったの』

赤「…いいんだよ。2人で行きたかったら行っても。木兎さん悪い人じゃないし」

『………嫌だよ。私…京治が離れるのは嫌』

涙目になりそう訴えてくるAに

俺は手を伸ばして頭を撫でた。

涙は引っ込んだようで

ふわりと笑って

『ホラー映画だって。私苦手だから手、繋いでね、京治』

赤「仕方ないな…。でも、苦手なら苦手って言わないと」

『木兎さんも怖いの苦手だから、赤葦真ん中にしよう！って言ってたよ』

赤「はい？だったら何で見るんだ…」

『家で見ると怖いから…だって』

意味わからない

『映画館ならみんな居るから、みんなで怖がれば怖くないって。ほんとかな？』

赤「さぁ、どうだろうね」

目に浮かぶ。

家に帰っても怖くて俺に電話をしてくる木兎さんが。

通話中で電話に出てくれない俺を求めて、俺の家までくるAが。

もういいや。

どっちも責任を持って世話しよう…。