実は木兎くんには好きな子が居た話 (ページ36)

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食堂を後にして、

試合の準備しないとと

洗濯してあるビブスを取りに廊下に出ると

途端に顔が熱くなってきた。

余裕あるように見てもらえたかな…

木兎くんがあんな感じに焦るんだもん…

私も同じように焦ってしまったら

みんなのからかいの的だ。

『もう…///心臓おさまって…///』

バックンバックンと言ってる心臓。

黒「おい」

ビクッ

『？！………なんだ鉄朗かぁ…』

黒「んなとこぼーっと突っ立って何してんの。準備早くしろよ」

『うるさい///するよ…』

歩き出すと何故か着いてくる鉄朗。

格好を見る限りそのまま体育館に向かうつもりなんだろうけど…

黒「俺のキスはもう木兎ので上書きされちゃったかな？ニヤ」

『！！///………』

黒「うーわ。悲しー」

『忘れたかったから丁度いい！』

黒「なぁ？木兎とのキスどーだった？ニヤニヤ」

『い、言わないし///』

そういうといつも通りに肩に手を回して

詰め寄ってくる。

黒「木兎って絶対野獣そう。お前食われんじゃねーの？」

たしかに

後頭部ガッシリ掴まれて、塞ぎ込むようにキスされたけど…

強引なキス…嫌いじゃなかったもん。

『………かっこよかった』

黒「は？何？」

『…キスして離された時の木兎くんが…目つき鋭くて野獣みたいで…かっこよかった///』

黒「ぶはっ…何だよそれ！お前ドMかよ！」

『だって……好きだもん…木兎くんのこと…大好きだもん…』

黒「ハイハイ、分かったってば…好きってちゃんと伝えれば？どうせ流れで両想いっぽくなってるだろうけど…言葉にすることは大事だぞ」

そうだね…

木兎くんはきちんと伝えてくれてるのに

私はいつも受け身だ。

"付き合う心の準備できたら教えて"だなんて…

受け身すぎ。

早く木兎くんのものになりたいって

私からもちゃんと伝えないといけないね。

『ありがとう鉄朗。今日の夜…伝えてみる』

そういうと
笑って頑張れよって言ってくれた。