実は木兎くんには好きな子が居た話 (ページ29)

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『安心しろ…何もしねーから』

黒「は？」

『そう言ったじゃんあの時…彼氏のフリしよって話になった時』

黒「ああ言ったネ」

『嘘つき』

黒「…悪かった。本当に…あんなことするなんて俺でもビビってんだよ」

『何でしたの？』

黒「俺、入学して教室に入った瞬間お前見つけた。可愛い子いんなー。さすが高校ってな。それからお前と仲良くなって、生意気なとこもあるし、でも俺に甘えてくるとこもあるし……可愛すぎって思って…今でもそれは変わんねぇ。高校卒業するまでは俺が1番お前の近くにいる男だと思ってた……なのに何で、いつの間に木兎に惚れてたんだって。気づかないところで知らないお前になってたことが悔しかった。だから…俺のものにしたくなった。……ゴメンナサイ」

頭を下げてる鉄朗。

『…つまり、鉄朗は私のこと恋愛感情として好きなの？どっちなの？』

黒「正直なこと言えば、わかんねぇ。本当にそういう目で見てなかったんだよ。守ってやらなきゃいけない存在。使命感みたいな。……キスした今も答え出てねぇ…」

『鉄朗私ね……1年の時の夏合宿で初めて梟谷に会ったじゃん？その時楽しそうにバレーしてて、キラキラしてて、すごい迫力のスパイク打つ木兎くん見て、あ、カッコいい。この人見てるとワクワクするってなったの。初めて抱く感情だった…。でもこの性格だし…鉄朗と付き合ってることになってるし…見てるだけでいっかって自然に諦めてたの。でもどんどんかっこよく見えてきて、試合で見たらもっとかっこよくて…私がカッコいいって思ってること木兎くんに知ってもらいたいって思うようになった。鉄朗、私、木兎くんが好きなの。もう見てるだけじゃ嫌…だから鉄朗とキスしたこと忘れたい…ごめんなさい鉄朗』

黒「すげー長文でどうも………わかんねぇっつってんのに振るなよバーカ」

『う"…だってこうゆうのはハッキリさせとかないと！』

黒「だな。……可愛い可愛いAちゃん？俺振ったこと後悔すんなよ？」

『しないし！』

黒「ぶはっ…木兎がバカなやつで良かった」

『何で？』

黒「なんか変に大人っぽくてカッケー奴だと悔しいじゃん！だけど木兎なら、単細胞で元気だけで生きてる奴だしお前に対しても真正面から好きとか可愛いとか言いそうじゃん。お前にはそうゆう奴の方がいいよ…応援する」

『ありがとう鉄朗…』

頭をポンポンと叩いて
そしてそのまま抱きしめられた。

黒「これくらい許せ」