実は木兎くんには好きな子が居た話 (ページ17)

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黒「まじ？デートすんの？」

『うん。昨日決まったの』

黒「で？俺から何のアドバイスが聞きたいのかな？」

『なんでアドバイスが欲しいって分かったの？』

黒「何となくネ。お前の考えてることくらい分かるよ」

『そっか…あの…どんな服着てけばいいの？』

黒「………いや好きな服着てけば？」

そうなんだけど。

分かってるんだけど……

『男の子と2人で遊んだことないんだもん…気合い入ってるとか思われたくないし…』

黒「木兎がそんなん思うわけねーだろ…」

『お願い鉄朗…鉄朗だったら思うでしょ？気合い入ってるなーとか』

黒「あーまぁ……フリフリのスカートとか履かれたり、ヒール履かれたりしたらまじかよとはなるかな….。でもまぁ好みだろ」

『分かった…フリフリとヒールはNGね』

黒「水族館なら室内だし、夏だけど冷房効いてるだろうから冷えないようにしてけよ？」

『うん。優しいね、鉄朗』

黒「まぁな…」

頭を撫でられる。

本当優しい。

するとまた陰口が聞こえてきた。

「何あれ、見て！」

「黒尾くんってやっぱり白沢さんのこと好きなんじゃない？」

「白沢さんも拒否してないし」

「ちょっと可愛いからってムカつく」

黒「あー…悪りぃ。今のは俺が悪いわ」

『ううん…鉄朗は悪くない』

黒「離れて欲しい？」

『ううん。離れて欲しくない…鉄朗のこと恋愛対象ではないけど、好きだから』

黒「あ、そ？なら良かった」

優しく微笑んでくれる。

鉄朗と付き合ったらきっと幸せだと思う。

本当にそう思う。

だから私は勿体無いことしてるんだよ…

でもね。

それでもやっぱり…

木兎くんがよくて。

木兎くんのこともっと知りたくて。

ブブブ…

授業中にスマホを見ると

木［Aちゃん……授業暇〜］

そんなメールが来た。

嬉しくて嬉しくてニヤける。

［私も…暇〜］

そう送った。

木［しりとりしよ！！］

［うん。じゃあしりとりのりからね！］

他愛もないし

子供っぽいし

それでも返事１つ１つに舞い上がる。

しりとりさえも…楽しい。

木「す………好き］

？！////

木［なんてな！！冗談！！……スイカ！］

［カラス］

木［また、す？！また好きって言って欲しいの？！］

［そうなのかもしれない…］

木「いつか…また言う！］

メールだとちょっと素直になれる。

早く会いたい。

早く日曜になれ。