-10-〔JN side〕 ページ10
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Aと別れたあと、職員室に用があったことを思い出して来た道を戻った。
「あれ、A...？」
教室から出てくるAが見えた。
何が大きな理由があって教室から出たようだった。
気になって後をつければ屋上の方へ。
立ち入り禁止と書かれたチェーンを乗り越えて屋上に出ていったA。
他の人にバレないように、
周りを確認しながらチェーンを乗り越えた。
「Aー！」
確かにここにいるはずなのに、返事がなかった。
まさかとは思ったけど、こういうときって大体嫌な予感が当たるのはなんでなんだろう。
見つけたと思えば、屋上のふちに立っていた。
考えるよりも先にAの腕を引っ張った。
「何やってんだよ！...泣いてる？」
あくびです、なんて言って涙を拭っていた。
そんな嘘バレバレなのに。
『...僕って弱い人ですよね。ただいつもより人に見られてるだけなのに、こんなとこまで来れちゃうんですもん。』
無意識のうちに、Aを引き寄せて抱きしめていた。
Aの華奢な体が、今にも壊れそうだった。
意外にもすんなりと受け入れてくれて、
反抗する様子は見せなかった。
「違う、Aが弱いんじゃなくて、僕がいけないんだよね。自分のためだけに利用して」
抱きしめたままそう言うと、Aと1度向き合う。
「大丈夫、ちゃんと僕が守るから」
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作者名：窓. | 作成日時：2020年10月3日 21時
