101話 ページ4
たけみっちくんの隣の人は誰なのか、包帯ぐるぐるくんは何者なのか、なんていう私の個人的疑問は誰にも知られることなく、たけみっちくんの話によって消え去っていった。
うん、まあ知らない方がいい気がするし全然いいよ。
全然気にしてないよ、……うん。
「マイキーくん、あの……話があるんすけど」
そう切り出したたけみっちくんの話は、昨日の芭流覇羅で起きたことだった。
それと、マイキーくんのお兄さんの過去のこと。
「そっか、兄貴の話聞いたか」
たけみっち君の話が一通り終わると、マイキーくんはお墓に向かって合わせていた手を下ろした。
それを見てドラケンさんが口を開く。
「かっけぇ人だったな、真一郎くん」
「うん……」
「たけみっち、俺らも分かってんだ。あの事件は今更どうにもならねぇ」
「……」
「場地も一虎も、あんなことしたかったわけじゃねぇ」
「そう、今更しょうがねぇって分かってる。でも、心が着いてこねぇ」
ポツポツと雨が降り出す。
それを気にせず、真一郎さんのお墓を眺めるマイキーくんの横顔は、どこか冷たく感じた。
ーーーーーー
お墓参りが終わり、私たちは出口へ歩き出した。
傘を持っていなかった私は、ドラケンさんの傘に入れてもらっている。
ありがとう、ママケンさん、なんて思ったら睨まれた。
もしかして私の心読めるの？ドラケンさん。
出口へ向かいながら、マイキーくんはお兄さん達のことを話し出した。
「場地と一虎が盗もうとしたバイクは、兄貴が持ってたバブなんだ」
「えっ」
「俺の誕生日にプレゼントしてくれるはずだった。兄貴の形見のバブ……俺の今の愛機だ」
歩みを止めたマイキーくんの先には、先程乗せてもらったバイクが停めてあった。
「あれから2年、場地のことは許した。でも、知らなかったとしても今更どうにもなんなくても兄貴を殺 した一虎だけは、一生許せねぇ」
そういったマイキーくんはぐるっと後ろを振り向く。
「たけみっち、俺は場地を連れてこいと言ったはずだぞ。なんで場地んとこの副隊長がいて、場地がいねぇんだ？」
あ、この包帯ぐるぐる君は場地さんの隊の副隊長だったのか。
「たけみっち、お前は何がしてぇんだ？まじでﾀﾋにてぇの？」
「あ、その、俺は……俺のしたいことは」
マイキーくんの問いの答えを考えるたけみっち君。
あれ？そういえば、場地さん連れてこれなかった暁にはたけみっち君、マイキーくんに殺 される的な約束してたんだっけ？
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ぷっちょ(プロフ) - わわらさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです！更新に時間はかかりますが、これからも頑張っていきます！ (11月29日 13時) (
レス) id: 7208894a38 (このIDを非表示/違反報告)
わわら - とても面白いです！！！体調にはお気をつけて無理をせずに更新頑張ってください！ (8月29日 22時) (レス) @page2 id: 6773ce603a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷっちょ | 作成日時：2023年2月6日 21時
