オモウママニ。２ (ページ6)

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_三雲修side_

迅さん、空閑、ぼく、白永先輩、そして陽太郎と雷神丸の5人と1匹で廊下を歩いていると、迅さんが口を開いた。

迅「駿はどうだった？遊真。手強かったか？」

空閑「けっこう強かったかな。こなみ先輩と10本勝負してなかったらやばかったかも。これからもっと強くなるやつだと思うよ。」

空閑は"結構強い奴"に勝った。

ぼくはその"結構強い奴"に負けた。

迅さんから始まった会話は、ぼくにぼくの弱さを改めて理解させた。

迅「メガネくんは？」

三雲「ぼくは…手も足も出ませんでした。風間さんの時とちがって、全然動きが読めなくて…。動きにないというか、きまぐれというか。」

迅「なるほど。そのへん遊真はどう戦った？」

空閑「おれはそういう時は大体相手を"動物"だと思って戦うよ。」

三雲「"動物"…！？」

予想外の回答にぼくは驚きを隠せなかった。

空閑「"人間はけっこう理屈に合わない動きをする"、"理屈より習性とか性格とかを読んだほうがいい場合も多い"ってむかし親父が言ってた。

かざま先輩みたいなキチンとした人は理詰めていけるけど、ミドリカワみたいな天然系は動物として見たほうがいい。」

迅「おお、そうかもなー。」

空閑の回答は迅さんも納得いくものだった。

そういえば、白永先輩も同じ事を…。

ー『緑川の動きは覚えた芸を見せたくて仕方ない犬なの。』ー

やっぱり強い人はそういう所を見ているんだ。