オモウママニ。２ (ページ33)

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宇佐美「まさか犬飼先輩のジャージじゃなくて、蔵内先輩のジャージを借りて帰ってくるとは…。」

今私は蔵内という苗字が書かれた大きなジャージを着ている。

『犬飼先輩教室にいなくて、でも蔵内先輩には会えて…。ジャージ忘れたって言ったら、…何も言わずジャージ取りに行ってくれた。』

と私は蔵内先輩のジャージを借りることになった経緯を教える。

綾辻「なるほど、だから会長のジャージを。」

氷見「蔵内先輩が優しくて良かったね。」

「…はい、スタート！」

綾辻「Aちゃん、初の彼ジャーはどう？」

『蔵内先輩は彼氏じゃない。』

宇佐美「っ…そういう時は！…『ドキドキする』っとか…言わない…と！」

氷見「Aはっ！顔が良い…っから、…それで相手は…メロメロ…っよ！」

『…別に蔵内先輩をメロメロにしたいわけじゃない。』

そんなことより…

『まだ持久走始まったばかりだよ。…息切れしてるけど大丈夫？』

私は息切れがすごい宇佐美と氷見に聞く。

宇佐美「全然大丈夫…じゃないっ！」

氷見「もう…無理っ！」

綾辻「私もちょっとキツイかな…。」

すると余裕がある私に綾辻は言った。

綾辻「私たちは大丈夫だから気にしないで。AちゃんはAちゃんのペースで走っておいで。」

『…無理はしないように。』

それから宇佐美と氷見を1回、2回と抜かす度、泣きそうな顔で見つめられた。