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改めて、真希に付き合ったという嘘を報告すると、彼女は優しく微笑んだ。
真希「初彼氏やんな?今、私めっちゃ嬉しい」
純粋に祝福してくれた真希への罪悪感を抱きながら「ありがとう」と呟くと、真希の後ろで日焼け止めを塗っていた菜月さんが口角を上げた気がする。
ああ、どうしよう。
私は真希に嘘をついちゃったし、重岡くんの好きな人が真希だと認識してしまったし、ていうか!
この展開はかなりやばいんじゃ………?
だって、重岡くんは真希とデートしたわけだし、真希は今彼氏さんと上手くいってないらしいし、それで……あれ。
真希と水着を買いに行った数日前のことを思い出して、じわりと冷や汗が流れた。
…………このままじゃ、危ない。
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望「おっまたせ〜〜〜!て、えっ、待って、菜月可愛い」
菜月「はいはい、どうも…」
勝手にヒヤリとしていた私の意識を取り戻すリアクションを見せた小瀧さんに照れ臭そうに笑う菜月さん。
ああ、良い。すっごく良い、なんだかんだでもしかして菜月さんも小瀧さんが好きなんじゃ…?!と思っていると、重岡くんがこちらにやって来た。
『顔色、悪ない?』
突然覗き込まれて、そして水着姿の重岡くんを目前に目のやり場に困ってドギマギしていると、ふわりと肩に何かをかけられた。
『俺のパーカーやから大きいけど、これ着といて』
「え、でも、大丈夫!ですよ!」
『顔色悪い奴にそんなん言われても信じられへんわ、黙って俺の着とけ』
ほとんど見たことない重岡くんの強引さにギャップを感じた心臓がドクドクと早く動き出す。
だめだ、この時の対処方法を私は知らない。
とりあえず素直に重岡くんのパーカーを着ると、日焼け止めを塗り終えた菜月さんが小さく笑いながら呟いた。
菜月「Aちゃんの水着を他に見せたくないだけなくせに?」
『はっ?!お前……!』
菜月「だって、白のビキニって大毅くん好きそう」
『………水着が好きってわけちゃうわ』
後頭部を乱雑に掻きながらそう言った重岡くんは「水買ってくるわ」と吐いて、お店がある方へと向かっていった。
水着が好きなわけじゃない、……ということは白が好きだってことか。
そっか、じゃあ重岡くんと次会うときは白のワンピースとかアリ…?
望「アイツ、顔赤かったな〜!」
菜月「キザだね」
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なつみ(プロフ) - 楽しみに待っておりました。更新とても嬉しかったです。ありがとうございました。 (2020年4月7日 20時) (レス) id: d3080f9a44 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - なつみさん» 大変長らくお待たせ致しました…。果たしてまだ読んで頂けているのか、定かではないですけれども、いっときでも待ち侘びいて頂けて光栄です。返信も遅くなってごめんなさい。流星くん目線で何か書けたらなあ、と思っていたので、検討させて頂きます! (2020年4月6日 19時) (レス) id: 6a9dbedc74 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - まおさん» 返信遅くなってしまい、ほんっっとうにごめんなさい。キュンキュンしたと言ってもらえて嬉しいです。そう言ってもらえた私が嬉しすぎてしにそうです(笑)本当にありがとうございます。 (2020年4月6日 19時) (レス) id: 6a9dbedc74 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新首を長くして待ってました。流星くんバージョンも是非書いて頂きたいです。続編宜しくお願い致します。 (2019年10月21日 23時) (レス) id: b3e8ac68c7 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - もうキュンキュンして死にそうです (2019年10月3日 6時) (レス) id: 082e554ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つき | 作成日時:2019年9月15日 22時