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恋ぐらいならいつかするだろうと漠然と思っていた。
私が読んでいる小説のような恋が難しくても、そんな欲張りなことは思わないから好きな人をただひたすら好きと想えるような、そんな恋がしたいと思っていた。
そして、遂に私が恋に落ちてしまった相手には既に好きな人がいて、私はその人の相談相手に過ぎないポジションに立ってしまった。
「うそ、だ……」
『うそちゃう』
彼からの告白はすごく嬉しいのに、飛び跳ねたいぐらいなのに、もしかしたら幻なんじゃないか?実は夢オチなんじゃないか?なんていう想像が止まらない。
一睡も出来なかったのに、こんなに眠くないんだもん。きっと私はどっかで寝ちゃってるんだ。
それで、今は夢の中なんだ。
………夢の中なら私がどれだけ素直に向き合っても良いよね?結局夢オチなら許されるよね?
「私も好き、重岡くんが大好き。いつからか分かんないけど、重岡くんが真希に真っ直ぐな想いを抱いて全力で頑張っているところから惹かれ始めたと思う。でも、好きになったらそれは……モヤモヤする原因にしかならなくて、重岡くんが真希とデートした日だって気が気じゃなかったし、なんでもっと重岡くんと出会えなかったんだろうって…!!」
いくら夢とは言え喋り過ぎた。
こんな一気に喋ったことなんてなかなかないから、ぜーぜーと乱れた息を整えながら重岡くんに視線を向けると、何故だか嬉しそうに頰を緩ませていた。
ともかく………スッキリした。
このまま夢の世界に閉じこもっていたいけれど、夢の中の重岡くんにあんな素直な気持ちをぶつけてしまった以上、こっちにも合わせる顔はない。
『意外と片岡も言うタイプなんやな』
いつの間にか、ぎゅうっと抱き締められていた私は重岡くんの声を耳元で感じてしまい、思わず体の体温が上がってしまった。
夢の中なのに、やけに感触や感覚がリアル。
こんなリアルな夢、初めて見たかも。
抱き締めたまま頭を撫でられているせいで、それを気持ちよく思ってしまったせいで、意識は段々遠のいていく。
あああ、バイバイ夢の中の重岡くん。
また会おうね。
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なつみ(プロフ) - 楽しみに待っておりました。更新とても嬉しかったです。ありがとうございました。 (2020年4月7日 20時) (レス) id: d3080f9a44 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - なつみさん» 大変長らくお待たせ致しました…。果たしてまだ読んで頂けているのか、定かではないですけれども、いっときでも待ち侘びいて頂けて光栄です。返信も遅くなってごめんなさい。流星くん目線で何か書けたらなあ、と思っていたので、検討させて頂きます! (2020年4月6日 19時) (レス) id: 6a9dbedc74 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - まおさん» 返信遅くなってしまい、ほんっっとうにごめんなさい。キュンキュンしたと言ってもらえて嬉しいです。そう言ってもらえた私が嬉しすぎてしにそうです(笑)本当にありがとうございます。 (2020年4月6日 19時) (レス) id: 6a9dbedc74 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 更新首を長くして待ってました。流星くんバージョンも是非書いて頂きたいです。続編宜しくお願い致します。 (2019年10月21日 23時) (レス) id: b3e8ac68c7 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - もうキュンキュンして死にそうです (2019年10月3日 6時) (レス) id: 082e554ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つき | 作成日時:2019年9月15日 22時