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『なんか、ほんま申し訳なくてさ〜。酔った勢いとは言え、色々一方的に話してもうて、』
そう言う重岡くんの表情はかなり申し訳なさそう。
でも、あれは私から重岡くんに声を掛けに行ったし。どちらかと言えば、私の方こそ色々聞かせてもらっちゃって申し訳ないというか。
そんなことを重岡くんに伝えると、マジか。と小さく声を漏らした。
「え、ごめん、なんか変な事言った?」
『いや、ちゃうちゃう。俺が勝手に話し始めたのに片岡が申し訳なく思うって、なんか、ええ子やなって』
「なによ、悪い子に見えてた?」
『見えた!』
「ねえ!」
『うそやって!ごめんごめん』
重岡くんが饒舌だからか、会話が途切れることはなく、ポンポン次の話題へと移っていく。
ご飯も美味しく頂けて、ミルクティーを飲んでいると、重岡くんが「ちょっと、聞いてもいい?」と新たな話題を切り出した。
「もちろん、なんでも話は聞きますとも」
『片岡はさ、……あ、ごめん。ちょっと待ってな』
「あ、うん。全然ここで出ても大丈夫!」
わざわざ外に出るのも、席を外すのも大変だろう。
そう思って、重岡くんの電話に耳を傾けない前提で言うと彼は「ありがとう」と言って、その場で電話に出た。
耳を傾けないつもりだった。店内のお洒落な曲に耳を傾けて、ミルクティーを飲んでボーッとしているつもりだった。
けど、私に聞こえてきた内容が驚かずいられないもので、思わず「ん?!」と声が漏れてしまった。
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『わかった、今日の夜行くから。ああ。泊まらへんよ。…え?いや、帰るから』
『デート?…その話はまた後でな。今ちょっと忙しいねん。おお。じゃあな』
………え?彼女?
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作者名:つき | 作成日時:2019年7月22日 19時