純恋文書（赤） (ページ33)

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真希「うわ～！ここずっと来たかってん！」

嬉しそうに笑いながら言った真希にホッと胸を撫で下ろす。

……いや、ここを選んだ片岡にまずは感謝せな。これが終わったら電話でもかけよかな。

いや、やっぱ会おう。予定聞いとこ。

『なに飲む？』

真希「うーん、なんにしよ。ここってミルクティーゴリ押しやんな？」

『ああ、せやな。でも苦手やろ？』

真希「苦手！私の友達にめっちゃミルクティー好きな子おんねんけどな。その子が飲んでる姿見るのは好き」

そういえば、片岡もめっちゃ美味そうに幸せそうにミルクティー飲んでたなぁ。

真希は食べ物なら甘いのが大好物やけど、飲みもんは割とサッパリしたもんが昔っから好きで。

ひたすらストレートティーかコーヒー飲んでたっけな。……懐かしいわ、ファミレスで真希の恋愛相談に乗ってた頃が。

真希「しげは私の事、ほぼ知ってくれとるから一緒におるとすごい楽」

「そうなん？……今は俺より彼氏の方が知ってるやろ、真希のこと」

真希「んーん。彼氏にはお前の扱い難しいって言われて、ちょっと今距離置いてる状態やねん」

「はあ？なにそれ」

高校から付き合ってる彼氏やろ。

そんな長く真希と一緒におんのに、一瞬でバッサリ距離置くってなんやねん。もっと大切にしろよな。

……って、今、俺にとって絶好のチャンスやんけ。なんでこんな腹立たしとんねん。

真希「やから、しげが彼氏やったらもうちょっと平和に行けたんかなって今日改めて思った」

俺の予想通り、夕飯と言える夕飯は食べずにスイーツを真っ先に選んで、そのパンケーキをパクッと頬張る真希。

スイーツの中でも一番好きなのはパンケーキ。

真希が凹んでる時、毎回これを口実に一緒に出掛けとったから今も忘れてへん。

どう返そう？と迷ってる間に真希はパンケーキを平らげて、「些細な事を覚えてくれててありがと」と笑った。

『……じゃあ、行くか』

真希「ん？どこに？」

『ここの夜景、めっちゃ綺麗なんやって』

夜景？なんか、今日のしげは彼氏みたいやな。

照れ臭そうに笑った真希は俺が見てきた中で一番可愛かった。ほんで、綺麗やった。

ああ、もう俺がその彼氏から真希を奪ってもええんかな。

………真希を俺のにしても、ええんかな。

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