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結局、片岡と会わなくなってから一週間以上経った。
なんやねん、会われへんぐらいで調子狂わすんとちゃうぞ俺。
なんて、自分に言い聞かせながら駅前でアイツのことを待つ。
ほんまは片岡と会って、何かしらエール貰ってからアイツと会おうと思ってんけど……バイトと講義で片岡のスケジュール埋まってるらしいし。
それはしゃあないな、ってなって結局片岡に会われへんままアイツの誕生日前日を迎えた。
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真希「やっほ、しげ。久しぶり」
『おお、久しぶり』
大学生になって、更に綺麗になった真希。
同じ大学やけど、理系と文系で取ってる講義もちゃうから大学内では全く会われへん状態。
たまにすれ違う事はあるけど、そんなん月に一回あるかないかの頻度やし。
だから、改めて真希を目の当たりにすると「ああ、知らんうちにこんな綺麗になってたんや」って。
思わず息を呑んだ。
真希「どこ連れてってくれるん?」
しげのためにお洒落して来たんやから期待してんで!って無邪気に笑った彼女。
彼氏おんのに、そんなん言うてええの?
『着いたら分かるやろ、多分』
これから真希を連れて行くのは片岡が「デートスポットは絶対ココ!」とゴリ押ししてきた場所。
夜景も綺麗やし、もう〜ベタ惚れ間違いなし!と興奮気味に、楽しそうに話す片岡を思い出して思わず俺も笑う。
真希「思い出し笑い?怖いなあ」
『はっ?…うるさいわ、行くで』
真希「はいはーい、今日はよろしくお願いしまーす」
あかんわ、淳太に変な質問されたせいでまた片岡がチラつく。
………多分、俺のこの状態を知ったら「何やってんの重岡くん!デートに集中しないと、好きな子を振り向かせられないよ!」って、プンプンするんやろな。
真希「あっ、今度はニヤニヤしとる」
『え?いや、してへんって』
真希「ふーーん?」
『疑うなや(笑)』
相変わらずな空気感に少し安心しながら、真希をこの辺に出来たばっかやのに人気らしいカフェに連れてく。
これは真希が甘党やから。
それに、今日のメインは夜景やから夕方に待ち合わせたしな。そろそろ夕飯とか食べたなるやろ?
で、スイーツは別腹!なんて言いながら甘いもんを幸せそうに食うねん。
寧ろ、夕飯食べずにスイーツだけで済ませそうなぐらいやけど。
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作者名:つき | 作成日時:2019年7月22日 19時