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『え、待って、なんで泣いて…』


「す、みません。泣きたいのは絶対にあなたなのに、なんだか苦しくて…」






話している声も内容も全て哀しいものなのに、笑顔だけは欠かさない彼を見ていると更に胸が苦しくなった。


ここまで真っ直ぐ人を想えるなんて素晴らしいじゃない。それなのに、ここまで報われないなんて神様は一体どうしたいんだろうか。



一度溢れた涙は止まることを知らず、必死に止めようとしながら私はブランコから降りて彼の前に立った。






「あなたは絶対に報われます!あなたが苦しい時、いつでも良いので電話してください。そしたら私が何時まででも付き合って話を聞きます!いや、聞かせてください!」






息継ぎをせずに勢いのまま言いたいことを言うと、彼は少し驚いた様子で私を黙って見つめたまんま。


その間に私はメモ帳に自分の連絡先と名前を書き、半ば強制的に彼にその紙を握らせた。






「是非、頼ってください。貴重なお時間をありがとうございました!」






そうお辞儀して公園を後にする。



これ以上あそこにいたら一番泣きたいはずの彼が泣けなくなる。今は私がしっかりすべきところなんだから、私が泣くなんてありえない。


次に彼の話を聞くときには絶対に泣かない。彼の長年の苦しみが少しでも和らぐようになにか出来ることはないだろうか。



合コンの記憶なんて吹き飛び、私の頭の中はそれだけでいっぱいだった。







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真希「で?どうやった、合コン」


「え?あ〜、うーん…」


真希「まさか行ってないん?」


「行ったよ、行った!ちゃんと行ったけど…!」


真希「けど?」






次の講義までお互いに時間が空くから、食堂で早速昨日の合コンについて興味津々に聞いてくる真希に思わず後ずさる。



昨日のことをどう伝えるべき……?






「なんかね、すごく良い人に出会ったの」









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作者名:つき | 作成日時:2019年7月22日 19時

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