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一緒にご飯、と言ってくれたものの私たちが口にしているのは飲み物とデザート。
まるで女子会状態なテーブルで小瀧さんは「はぁ〜〜〜…！」と辻褄が合ったかのような大きな溜息を吐いた。
望「菜月が手出してもうた子ってAちゃんか！ほんまにごめんな。ウチの子が。」
菜月「誰があんたの子よ」
望「菜月も、もっかい謝っとき」
小瀧さんにそう促された菜月さんは真っ直ぐ私を見て、静かに頭を下げた。
菜月「あの時は、本当にごめんなさい」
「いっ、いや！頭を上げましょう！良いんです！私の方が菜月さんの気持ちをもっと考えて発言すれば良かったものの……」
菜月「ううん、あれが良かった。あのぐらいじゃなきゃ、私は折れてなかったから」
優しく微笑んだ菜月さんに思わず惚れかけた。
真希もそうだけど、菜月さんも、やっぱり恋してる女の子ってキラキラ輝いてて強い芯を持っていて、その上に優しさもある。
私も、そんな風になりたい。
望「片岡さんは、実際どうなん？しげのこと」
望「好きかどうか聞かれて黙るってことは、好き寄りやろ？」
望「話の流れ的には恋愛としてやけど、友達として好き！って断言も出来るとこをせえへんかったわけやから……気づいてないだけ？」
それとも、気づこうとしてないだけ？
そう聞かれて、また口を結んだ。
つい一週間前に真希と話して、重岡くんのことは好きになっちゃダメだって分かったのに。
恋をしたことない私にも、少なからずキュンキュンしたりドキってしたりする気持ちは分かるんだ。
小説を読んでてそうなる事もあったし、主人公が好きになった人を想像して、一つ一つの場面で表情を想像して、
あぁ、恋ってこんなに楽しいんだ！って心を躍らせていた。
いつの間にか、その主人公の好きな人を重岡くんとして置いて、想像している自分がいることには気付いていた。
重岡くんといると、ドキドキするけど楽しい。重岡くんのことを考えていると、ズキズキと心臓を針で刺される気分になる事もあるけど、……でも。
決して、嫌いとはいかない。
重岡くんと出会って、一緒にいる日が増えて、関係が深まってくる度に綺麗で可愛い女の子を見て羨ましいと思うことが増えて、自分もそうなりたいと願うようになった。
私が重岡くんの好きな人だったら良いのにな、と思うようにもなっていた。
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作者名：つき | 作成日時：2019年7月22日 19時
