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最後まで小説を読めたのは良いものの、純粋にときめいたり感動したり、一つ一つの場面を想像して幸せのおすそ分けをしてもらったり、
いつもは出来ていた、感じていた感情とかを感じられなくて図書館を後にした。
二宮さんには、青春を謳歌しなさいって軽く頭を撫でられ心配させてしまった。
あの二宮さんが私にそんな胸キュン行動をしてくるなんて、相当心配されてるときだろうし。
「どうしたもんか……」
とぼとぼと駅までの道を歩いていると、ふんわりと甘い香りに鼻を擽られて頭を上げた。
菜月「………あ」
頭を上げるタイミングが一秒遅かったら、きっともうすれ違っていた。
ぱちっ、と私と目が合った菜月さんは綺麗で大きな目を見開いて更に大きくさせた。……綺麗で可愛い。
菜月「お久しぶり」
「お、お久しぶりです!」
菜月「……だいぶ浮かない顔ね。失恋でもしたの?」
「しつっ?!」
菜月「ちょうど良いや。この前のお詫びも兼ねて、私と一緒にご飯食べに行かない?」
にこりと綺麗に微笑んで菜月さんは前に見たときよりも更に綺麗になっていて、思わず息を呑んだ。
気付いたらコクリ、と頷いていた私は急遽一緒にご飯を食べに行くことに。
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望「なんでなん」
菜月「え?」
望「なーんーで!俺、今日デートのつもりで誘った!」
菜月「知らないよ、私はデートなんて言われてない」
菜月さんと一緒に来たお店は小洒落たカフェ。
そのまんま後ろをついて行くと、菜月さんが止まった席にはもう既に一人の男の子が座っていて、あれ?ここ座れないですよ!と口を開こうとしたとき
菜月さんが「この子、私のお友達」と言って、座ってポカーンと口を開けた男の子に私を紹介した。
「な、なんかせっかくのデートを邪魔しちゃってすみません!」
望「いや、全然。この前はドタキャンやったし、その前は全然知らん子だけ連れてきて菜月はこうへんかったし!」
それと比べたら今日は全然マシやわ、と笑って私を受け入れてくれた小瀧さん。
話によると、菜月さんとは共通の友人の紹介で知り合って、小瀧さんが一目惚れして絶賛アタック中らしい。
菜月「それで、どうしたの?やっぱり失恋?」
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作者名:つき | 作成日時:2019年7月22日 19時