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【 p.23 】 ページ23

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最近、片岡の様子がどこかおかしい。




俺が違和感を感じ始めたのは片岡を淳太のカフェに連れて行った日から。


あの日から、お互いにバイトがなければほぼ毎日会ってんちゃうか?って頻度で顔を合わせてファミレスで談笑しとるけど……




どこか片岡が余所余所しいというか、なんというか。







『なあ、片岡?』




俺が中学から片想いしてる子に初めて誕生日プレゼントをあげるため、一緒に選ぶよ!と言ってくれた片岡とショッピングモールに来たけど



ふと、目に留まったのは雑貨屋に飾られた白い犬のマスコット。



そのマスコットのキーホルダーを片岡に見せる為に、マグカップを真剣に見る片岡の肩をトントン叩くと、ビクッと反応した片岡が振り向く。





「…重岡くん?」


『ん?』


「指!邪魔!」







振り向こうとした片岡の頬にそのまんま人差し指を立ててヒットさせると、少しムッとしながらも恥ずかしそうに目線を泳がせる。


反応は初々しくて可愛いんやけど、言葉はツンツン。って、そこは良いねんけど、……




相変わらず片岡は俺と目を合わさへん。




片岡の前にさっき手に取ったキーホルダーをぶらつかせると、それを見た片岡の「ん?」という声が聞こえた。







『片岡に似てへん?』


「目が点だよ?それ」


『オーラがアホっぽいやん』


「ディスってるでしょ!」







トン、と軽く俺の胸を叩いてから「他も見てくるね」と短く呟いて、小走りで違うとこへ。



ほんまに、まったく目合わへんやん。なんで?




片岡になんか悪いことしたっけ?いや、でもそれやったら会う事ですらも嫌がるやろ?



………でも片岡のことやしな。俺の恋が実るまでやったら、嫌やったとしても俺に付き合ってくれそう。



って、もしそうやったら、俺はアイツに振られようがどうなろうが片岡とはもう会われへんってこと?







『なんでやねん…』







手に持ったキーホルダーを見ながら出てきた一言。



チラリと店内を見渡すと、また真剣に雑貨を見ながら考え込む片岡の姿。



あぁ、すっごい形相で考えとる。眉間にシワまで寄せてるやん。うわ、めっちゃ考えるやん。そんなに他人のプレゼント選びで悩めんの?





なんか、ほんまに可愛く見えてきたな。









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作者名:つき | 作成日時:2019年7月22日 19時

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