【ヒロアカ】黒くても性格は黒くない!! (ページ6)

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帰っちゃうの？:稲荷side ページ6

あれから境内を見て回って、すっかり夕方｡
楽しかったな。

『こんなに楽しいと帰るのが惜しいの…』

「えっ………っ！///」

この人は…本当に思わせ振りな態度ばっかりとる

この心拍数どうすればいいのさ…。

『どうした颯真？
　耳も尻尾も下がっておるぞ？』グイッ

稲荷「うわっ！？」

急に顔のぞき込まないでよぉ！

『うししっwドキッとしたかの？』ニヤッ

「も、もう！」

あの時の仕返しって事！？
あとルナの顔が凄いんだけど。

「したよ…すっごく」ポソッ

聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声。
でもAには聞こえてたみたいだ。

めっちゃくちゃニヤニヤしてる！もう！

「あのさ、もう……帰っちゃうの？」

『ふむ、帰らんと両親が心配するでな。

　寂しいのか？』ニッ

ルナ「おい、そろそろ本気で帰んないと…
　日没近いぞ？」

今はAを止めるか、僕に怒鳴るところでしょ！？
なんでこんな時に心配性発揮すんの！？

この空気どうすればいいの！？ルナァ!!

「そ、そうだね。
　早く帰らないと…夜道は危険だよ」

苦し紛れのセリフも、Aには全く効いてないみたいだ。

『いや…寧ろ夜の方がセコムが多くて、
　安全なんだがの』ははっ

ルナ「まあ確かにな」

「セコムって個性？」

『そうじゃ！』

あっもうすぐ日没だ。

…黄昏時…僕の1番嫌いな時間。

だって何もかも見えなくなってしまうから。
寂しくて辛くなる。

ルナ「あ…沈んだ」

「……！」

何もかも見えなくなんて、ならなかった。

1番僕が見てたいもの。
Aは闇に溶けなかった。

刹那の光を身に纏っているように、綺麗。

その目は瞬くしか無い星の光をも呑み込んで、
キラキラと輝いていた。

ルナも、黄色かった体の模様が淡く、輝く。

『じゃあな、颯真』

―フワッ

なびく黒髪に見惚れていたらルナに叩かれた。

ルナ「ボケっとすんな、早く家に入れよ」

……くそっ、無駄に兄貴感だして！

「また明日！」

振り返って、満面の笑みで手を振ってくれる。

また明日、会えるんだなって思いながら。