2つの愛し方

14 Takanori ページ14

岩田「おい、」




『…………………』





岩田「おい、53キロ」






『バカにしてんの？そんなないわよっ！』





岩田「まじ？」







『まじ。ってか、女子にさらっと体重聞くんじゃないよ』






岩田「んなことはどうでもよくてさ。




明日から文化祭準備始まるって




今日の放課後学級委員、直人先生の所に書類取りにこいだって」






『あんたが行けばいいじゃん』







岩田「だから、呼び方な！




…じゃなくて、2人で来いって言われてんだよ」






テストも無事に終了して、





夏休み前にある文化祭








文化祭実行委員をやりたいと言った人がなかなか出なくて、結局俺とこの女でやることになった






夏来も手伝ってくれるって言ってたし、






ELLYは部活で手伝えなくてごめんって言ってたな






『ねぇ、金髪男』






岩田「あ？」







『なんであんたのカバンから真っ黒のバナナ出てくんの！？』







岩田「あ〜、こんなの当たり前だよ」








『当たり前じゃないし、




その黒さいつから入れてたのよ』







岩田「あれ？これいつのだっけ？





まぁ、でも果物は熟した方がうめぇんだよ






やるよ、このバナナ」







『いらないわよっ！』







なんて、俺とこいつが喋るといつも喧嘩腰







もっとおしとやかに喋れねぇのかよ、こいつは







こんな元気いっぱいの女が、






実は1人で泣いてるなんて知る由もなかった。

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