95 bourbon side ページ46
「…風見、ライフルをすぐ用意してくれ」
「は、はい、わかりました…ですがこの暗い中でいくら降谷さんでも狙えないかと…」
「そんなのはやってみなければ分からない。たとえ命中しなくても、ヤツの気を引くことくらいは可能だ。早く止めなければ…彼女が死んでしまうかもしれない」
「…わかりました」
どうぞと渡されたライフルを受け取り、銃に取り付けられた暗視スコープでジンの位置を確認する。
だがその時、ダーンッと銃声が辺り一体に響き渡った
急いでもう一度スコープを覗くと、ミモザが後ろへと倒れていく光景が目に映った
「ッ!!ミモザッ!」
気がつくと、ライフルを片手に体が勝手に動き出していた
「ふ、降谷さんッ!?」
風見の声が後ろから聞こえたが、それを無視し
ジンに気付かれないであろうギリギリの位置まで近づく。
物陰に隠れ深呼吸をひとつすると
再びスコープを覗いてジンに狙いを定め
「銃を捨てろ!!!!」
そう言い放つと同時に、ヤツにめがけて弾を一発放った
すると、暗かった港が突然明るく照らされた
見渡すと無数のライトが港全体をを照らし出しており
「降谷さん!!ご無事ですか!?」
と光の奥から風見が走ってきた。
「このライトは公安車両のライトか…悪い助かった…それより!ミモザは!」
先程ジンがいた位置を見ればやつの姿はなく、血溜まりに倒れたミモザの姿があった。
急いで傍に駆け寄り
「呼吸…よし、心拍…よし…、ひとまず無事か…。風見、すぐに救急車を呼んでくれ。後のものは現場の復旧と倒れている男達の搬送を頼む!!」
「「はいっ」」
各方面から返事が聞こえ、次第に仲間のパトカーも集まり、先程まで人ひとり見えなかった港は明るく照らされた。
倒れたミモザの傍に座り、意識を失っている彼女の頭を撫でる
「この大量の血…彼女は本当に無事なんですか…?」
そう言われ、顔を上げると風見が驚いた表情でミモザを見ていた。
「あぁ、大丈夫だ。この大量の血の正体はこれだ」
ミモザが着ているアウターのチャックを下ろすと、その下には赤い液体が入った袋が大量ににボディアーマーに付けられていた。
「下に防弾着を着ていたのですね…、それにこの赤い液体…血のように見えますが、別の液体ですか?」
唖然とする風見の顔が面白い
「体に衝撃が加わるとこの袋が割れるように出来ているのだろう。まぁ、この液体はどうやら本物の血だろうが完璧な偽装だ、本当に上手くできている…」
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iwa(プロフ) - お話惹かれてます。でも、あー救済じゃないのが切ないです。読みふけってますが救済ルートもほしい。 (2019年11月28日 16時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖菓子 - お話大好きです!!好きすぎて夜中まで起きてずっと読んでました!忙しいとは思いますが、お話の続き楽しみに待っています〜! (2019年1月5日 11時) (レス) id: 895cf97eb9 (このIDを非表示/違反報告)
rrrr(プロフ) - 早く続きが見たいです! (2018年9月4日 19時) (レス) id: 4886ac9ef5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アプリコット | 作成日時:2018年8月3日 10時