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「驚いた...あなたにこんな知恵があるとは」
「私がバカだっていいたいの?」
「違いますよ。まるでベルモットみたいなことをすると思って」
「そうよ。ベルモットから盗んだ知恵。けどジンの目は騙せるはず」
「で、この後の行動は?」
「この後は...」
私が口を開こうした時
[ミモザ、今どこにいる。あとはお前だけだ]
と、ジンからの無線が入る。
私はバーボンにしーと指を立てると、理解したらしく頷いた。
一呼吸おき、応答する
「了解。逃げたネズミ達を始末したけど、不幸なことに警察に姿を見られて今巻いているところ。すぐに向かうから出口付近に車をつけておいて」
[サツに見られただと...?何人にだ]
突然の冷たい声に恐怖を感じ、心臓が締め付けられる
「ひとりよ...」
[そのサツを近くまで連れてこい。始末する]
「!? けど、他の警察も近くにいるはずよ?そんな所で殺したら」
[姿を見られたのはお前の責任だ]
「...ッわかったわ...、上手く引き連れていく...」
[北ゲートに5分後。それ以上は待たない。命はないと思え]
ジンはそう告げ、無線を切った。
私は耳につけていた無線器具を外し、踏みつけて壊す。
「ジンはなんて言ったのですか」
「5分後に北ゲートだって。バーボンはここにいて。行ってくるわ」
倉庫から出ようと出口に向かうが、バーボンに腕を捕まれ進めない。
「離して」
「俺は何をすればいいんだ」
「だからここで待ってて!」
「殺されると分かってなぜ行くんだ」
「...大丈夫よ。手、離して。」
腕を掴んでいるバーボンの手を押し返す。
「後はよろしくね。降谷さん」
私はニコッと微笑むと、ジンが待つ北ゲートへと急いだ。
────
この北ゲートは国道に繋がっている南と西ゲートとは違い、海側にある。
そのため日が沈んだ今は真っ暗であり、波の音だけが静かに聞こえた。
ジンの姿を探していると、足元を銃で撃たれる。
間一髪避けたため、当たりはしなかったが
この暗闇の中撃ってこれるのは洞察力に加え、腕にたけてる人物
「...ジンなんでしょ。なぜ攻撃してくるの?」
「理由なんざお前が1番分かってるはずだ。この不始末どうしてくれるんだ」
バンッという銃声音と共に「ウァッ゛」と男の短い声が聞こえる。
声の方角的にこっち側か...
足音と気配を出さないように歩く。
「なぜネズミを殺さなかった」
「私はしっかり始末はしたわよ。逃げ出したやつがまだいたんじゃないかしら?」
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iwa(プロフ) - お話惹かれてます。でも、あー救済じゃないのが切ないです。読みふけってますが救済ルートもほしい。 (2019年11月28日 16時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖菓子 - お話大好きです!!好きすぎて夜中まで起きてずっと読んでました!忙しいとは思いますが、お話の続き楽しみに待っています〜! (2019年1月5日 11時) (レス) id: 895cf97eb9 (このIDを非表示/違反報告)
rrrr(プロフ) - 早く続きが見たいです! (2018年9月4日 19時) (レス) id: 4886ac9ef5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アプリコット | 作成日時:2018年8月3日 10時