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流石に数ヶ月も働き詰めになっていた私に、ベルモットやバーボンは何度も静止の言葉を言ったが、全く耳に入らなかった。

そして私は遂に任務中倒れ、大ケガを負った。



どれだけ手を合わせていただろうか、顔を上げると、目の前にハンカチが差し出された。

「どうぞ」

自分でも気付かぬ間に泣いていたらしく、私はそのハンカチで涙を拭いた。

「ありがとう...」

「...Aさんにとって、兄はどんな人だったんですか?」

「とても大切な人よ。影にいた私に光を与えてくれた人」

「兄の恋人だったんですか?」

彼女の顔を見て首をふる。

「そうなれたら良かったんだけどね...あ、この花の名前知ってる?」

私は、お供えで持ってきたお花を指さした。

突然話を切り替えたことで、彼女は疑問の顔を浮かべたが、すぐに答えてくれた。

「えーと、たしか"ミモザ"でしたっけ?」

「正解!よく知ってるね。」

「一時期花言葉にハマっていたことがあるんです」

「そうなのね、じゃぁミモザの花言葉は?」

「優雅とか友情とかでしたっけ?けど、黄色のミモザには別の花言葉があったような...」

「"秘密の恋"」

「秘密の恋?」

私は光希ちゃんに向け微笑むと、彼女のワイシャツのポケットに1枚の紙を入れた。

「これは?」

「私がいなくなった後に見て頂戴。きっと、懐かしいと思うはずよ。じゃぁね」

と告げ、私は足早にその場を立ち去った。
そして、角を曲がるとお墓の陰に隠れた。

暫くすると、彼女が追いかけてくる足音が聞こえたが、私は気づかれないよう身を潜め、彼女が立ち去るのを待った。

光希ちゃんに渡したものは、景光の部屋で見つけた、彼と幼い彼女が写る写真を渡したのだ。

「会えてよかった」

私は彼女が戻ってくる前に、お供えしたものを全て回収し、自分が来た痕跡を消した。

そして、隠していたバイクに跨り、その場を急いで離れた。


バイクを走らせていると、携帯が鳴り、道路脇に止めて電話に出る

「おめぇ、どこにいる」
ジンか...

「内緒」

「もう傷は治ったんだろ。ベルモットからそう聞いている」

「えぇお陰様で。だけどもう少し休養を頂戴?少し自由になりたいの」

「...チッ、勝手にしろ。そのかわり復帰した際にはたっぷり仕事をくれてやるからな」

ジンはそう言い、電話が切れた。

「この半年、1度もかけてこなかったくせに。何よ突然」

携帯をしまい、私は再びバイクを走らせた。

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設定タグ:名探偵コナン , 黒の組織 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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iwa(プロフ) - お話惹かれてます。でも、あー救済じゃないのが切ないです。読みふけってますが救済ルートもほしい。 (2019年11月28日 16時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖菓子 - お話大好きです!!好きすぎて夜中まで起きてずっと読んでました!忙しいとは思いますが、お話の続き楽しみに待っています〜! (2019年1月5日 11時) (レス) id: 895cf97eb9 (このIDを非表示/違反報告)
rrrr(プロフ) - 早く続きが見たいです! (2018年9月4日 19時) (レス) id: 4886ac9ef5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アプリコット | 作成日時:2018年8月3日 10時

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