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ブーブー
と、携帯のバイブ音が響く。
こんな大事な時に誰だ...と思い、画面を見ると
スコッチ と表示されていた。そして急いで携帯を開く
「そんなに慌ててどうした」
「景光からメールがきたの!」
「なんだと!なんて書いてある」
「ちょっと待ってね...えーと、"A、連絡をくれたのに出ることが出来ずにすまなかった。丁度今、大事な任務の最中でもうしばらく連絡が出来ない。申し訳ない。あと、この文章を読み終わったら俺との履歴を全て消去してほしい。写真もだ。理由はいずれ話す。俺からの最後の頼みだ、よろしく頼む。" ...どういうこと?なんで消さなければならないの...それに最後の頼みってまさか... 」
「あいつ、もう動いているのか...?」
「分からない...ねぇどうしよ景光に万が一何か起きていたら」
携帯を持つ手が震える。
「...大丈夫だって思うやつがいなければ、アイツも頑張れないはずだ。...景光のこと思っているなら、最後まで信じてあげてくれ。」
バーボンを見ると、こちらを見て悲しそうに笑う。
その顔を見て自分だけが不安じゃないことを感じる。幼馴染の命がかかっているのだ...きっと彼も私と同じ気持ちなんだろう...それなのになんて強さ
不安なのは1人ではないと分かり、私は何があっても信じることにした。
「わかったわ...けど、履歴を消すなんて...思い出も沢山あるのに」
「...そうだな。もうすぐ着くぞ」
車はアジトから少し離れた路地裏に止まった。
「もしかしたらジンが帰ってきているかもしれないから、あなたはここで待ってて。なにかあればすぐに連絡するわ」
「...わかった。何かないことを祈るが、必要となればすぐに連絡をくれ。あと、すまないがさっきのメールもう一度見せてくれないか?」
「さっきの?はい」
私はバーボンに携帯を差し出し、暫くすると返された。
「ありがとう。気をつけて行ってこい」
「わかったわ」
そして、私はアジトに向かって走った
────
ビルの扉を開け、アジト内のホールへと足を運ぶと、今会いたくない人物ナンバーワンであろうジンの姿があった。
帽子を深く被りタバコをふかしているが、扉の音が聞こえたのであろう
私の方を見ると、タバコを消しこちらに歩み寄ってくる。
いつもならジンなんて全く怖くないが、何故だが今日は心臓がドクドクと鳴り止まない
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iwa(プロフ) - お話惹かれてます。でも、あー救済じゃないのが切ないです。読みふけってますが救済ルートもほしい。 (2019年11月28日 16時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖菓子 - お話大好きです!!好きすぎて夜中まで起きてずっと読んでました!忙しいとは思いますが、お話の続き楽しみに待っています〜! (2019年1月5日 11時) (レス) id: 895cf97eb9 (このIDを非表示/違反報告)
rrrr(プロフ) - 早く続きが見たいです! (2018年9月4日 19時) (レス) id: 4886ac9ef5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アプリコット | 作成日時:2018年8月3日 10時