あいくるしいということ。３

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墓地まで向かう車の中。
ミミはお気に入りのスナック菓子を食べてご機嫌。
BGMにかけた毎週欠かさず観てるアニメのオープニングテーマを口ずさんで、身体を少し左右に揺らして


エリの眠る墓地は車で３０分。道中、少しの樹海が続く。この辺は少し標高があるから、木の葉は少し色付いて街より大分秋めいてる。
夕日が木の間から差し込んでは消えて、眩しくなって、
暗くなって、



"スンチョル、人間に産まれてこられる確率って
どの位か知ってる？"


何故か思い出したのは、こんな話。


"摘んだ砂をパラパラ〜って爪の上に落として、
わずかにのったその砂の数くらいなんだって！"

へーぇ。
エリって意外と博識だよな。


”私、やってみたんだよ。そしたらさ、本当に全然のらないんだよ！その位奇跡って事だよね。”

本当に試すとはさすが…。
物の例えって言葉を知らないよな、はは。


”お腹のこの子と巡り会えたのも奇跡だし…
そもそも、爪の上に乗る事ができなかったら
会えなかった訳じゃん！”

爪の上にねぇ…。


”だけど何に産まれたとしても、
私はこの子を産むと思う”


結局？



「ミミ、ミミのママってさ」


「え？まま？ままがどうしたって？！」


目をキラキラさせて言うから、笑いがこみ上げる。

「面白いママだよな！」


えー！会った事ないからわかんないよーう！
って少し不貞腐れて、すぐ笑った。


エリ。
会いたかったよな？
ずっと待ってたもんな？

俺もなんとか会わせてやりたくて。
頑張ったんだけどな。
ごめんな。エリ



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