鬼殺隊七不思議七番目 ２

血走った ページ36

『おはようございます。私達が来るまで一人で
相手は大変だった事でしょう。ありがとうございます
けれども喋らないで下さい。肺まで大きく損傷
しています。これ以上喋ると息をする事ができなく
なってしまいますよ。』

伊黒さんは大人しく私の話を聞いていたが
途中で大きく目を見開いた

「A！どうしたんだ！その腕の傷は！？」

『ですから喋らないでください！！』

今度は強めに咎めるとしっかりと口をつぐんだ

『それにこの傷はただの古傷ですよ』

ネチネチとした"ただの古傷な訳が無いだろう"と
言いたげな視線を感じる…
その視線を無視しながら口をひらく

『後は私達に任せて伊黒さんは少しだけ寝ていて

ください。大丈夫ですから』

伊黒さんは少し迷ったように目を動かしたが

"任せた"というようにコクリと頷き、目を閉じた
大分疲れていたのだろう数十秒で夢の中だ
私は伊黒さんを置いて皆んなの元へ戻ると


皆んな何処かしら大きな傷ができ必死に無惨に
食らいついていた

無惨は伊黒さんと戦っていたときの余裕な表情を崩し
血走った眼で戦場を見回している


ふいに無惨と目があった気がした

すると無惨はニヤリと笑い、叫んだ

「見つけたぞ！時守！時守A！！
猗窩座から見つけたと聞いていたが、これほどまでに
アイツに似ているとはな。忌々しい！！
さっさと時の呼吸による力を私に寄越せ！！」

無惨が言っているアイツというのは初代だろうか？

そしてどこまでコイツは勘違いしているんだ
まぁ何度言っても理解しないから諦めたけど


しのぶ達が合流するまであと数十分といった所だろう
か。勝てる確率は五分五分いや、此方が押されて
いるだろう。でも、でもこの戦いに勝てば全て終わり
なんだ。これで逆行も終わるはず
何としても何としてもコイツを倒さなければ

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